第2章 アネモネの夢51~99
57
プール行くのいいけど水着持ってないよねー
ご飯を食べながらその話をすればいつ買いに行こうかって話になって。でもわざわざ買いに行くのもなぁ。うーん
だってこの夏下手したらプール1回しか着ないんだよ。
「百合ちゃん取り敢えず明後日まで待っててもらえる?」
「買い物?いいよ?」
明日会社で何とかできないかと思いつつ、部屋で着替えて夕食の用意を始めた。
翌日は会社に着いてからバタバタと、やることサッサとやってから、紙を取り出し簡単にデザインを描いていると通り掛かったスタッフに見られた。
にゃー、これはプライベートのデザインだから商品化しません。ってか時期がおかしいってば。
「これ、商品化して夏に出したら良かったんじゃ?」
「でもこれ完璧に私用。市が着るの」
「もう一つのデザインは?」
「これも家族用」
水着だったらささっと作れるよね!って息巻いてたらそんな事できるの貴女だけですと苦笑いを貰いました。
昨日のうちに百合ちゃんのスリーサイズは手で計ってたので、後は水着用の生地とか業者さんのとこ行って作ってきちゃおう。
え、もう?って聞かれたけど、前世自分で水着作った身としては朝飯前なのですよ。あの時はワンピースの水着作っただけで破廉恥って言われたから良い時代ですよねー
スマホを見ればLINEにメッセージが来てて、開いてみたら珍しい人から連絡が来てた。へえ、あそこのプールで監視すんの?
成人以上限定って言われててもスタッフが必要だものね。当日会えたらいいねと送って。さて仕上げちゃお。
家に帰ってから完成品を百合ちゃんに見せたら盛大に喜ばれて抱き締められました。やったね!
「あ、雹牙、ついでに雹牙のも作った」
「悪いな」
百合ちゃんの水着はビキニタイプ。白を下地に青いレースと刺繍を散らせたもので。ロングなパレオ付きですよ。1点もの作ると楽しいと笑えば一点もののブランド品って高くないか?とガクブルされた
私のもビキニだよん、胸の辺りクロスしてるの可愛いでしょ、と見せたら百合ちゃんにがしっと胸掴まれた。