第2章 アネモネの夢51~99
今日持って行ってもらう荷物を手渡して、残りは段ボール箱に二つくらいで収まる量が残ってる。鍋とかフライパン、包丁類はまだ新しいから一度織田家に持ち込んで選別して捨てるなりする予定デス。それは市ちゃんとご相談なのです。
浮かれてうっかりふざけたら思いっきりアイアンクローを喰らって、悲鳴を上げてから雹牙さんをお見送り。やっぱりちょっと寂しい……思わず手が出て、背中を向けた雹牙さんの服を引っ張ってしまったら振り返った雹牙さんに頭ぽんぽんされた。
うー……小さい子供みたいで恥ずかしい……けど、嬉しい。緩み切った顔で笑って、バイバイと手を振って玄関が閉まるのをじっと見つめた。