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アネモネの夢

第1章 アネモネの夢00~50


それでもどうにか彼女をランチに連れ出そうとしたところで、またしても邪魔が入った。これも女性のような美形な男子だったが、女性も一緒で彼女はその女性と約束があったらしいと気付く。
なぜか急に膝ががっくんと崩れ、転んでしまったところを社長に見られてしまいなんでもないと昼を買いに会社を出た。
さて、どうやって彼女を捕まえるべきか……。どいつもこいつも、彼女が僕を嫌がっていると言う。しかし、僕は今まで女性に気に入られなかったことはない。彼女も恥ずかしがっているだけだ。
仕事上がり、秘書課の女性から彼女が仕事を上がるようだという連絡が来た。
僕も終わったので今日こそはと気合を入れて席を立った。




「百合」
「雹牙さん! 今、今準備します!」
「ゆっくりでいい」
「はい!」

入り口から雹牙さんが顔を出したのを見て、慌てて立ち上がると手を挙げられて忘れ物がないようにしっかり確認してから荷物を持って席を立つ。
そばに寄っていけば手が伸びてきて、労うように頭を撫でられた。
ついつい嬉しくて顔が緩むと、ぽんぽんと跳ねて手が離れた。
そのまま促されて足を進めると少し離れた所にあの男性社員の姿が見えて、思わず雹牙さんの腕に手を伸ばし袖を握った。
顔は見ない、見るのが怖い。だから、気付かない振りをして雹牙さんに促されるまま、私は会社を出て帰宅した。
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