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アネモネの夢

第1章 アネモネの夢00~50


04

自宅の部屋に戻って現実に立ち返ると、もうちょっとあれこれ話してみたかったという思いが沸いてきたけど仕方がない。
秘書をしている時の帰蝶様のことや、自分の仕事に関するアドバイスなんかも貰えて非常に有意義な夕飯になりました、ご馳走様です。
市さんがやっぱり総帥の噂の妹さんだという確信を得てしまって、今後どうしたら良いのかと一瞬考えたけどそれはそれで見なかったフリです。
せっかくメル友になったし、特に権力振りかざされたわけでもないしね。
そうやって仕事が終わってからの出来事を振り返って緩む頬をそのままに、部屋着を持って風呂場に直行すると携帯を持ち込んでゆっくりと湯船に浸かる。
別れ際、雹牙さんから市さんが寂しがってると言われたのを思い出して、ブックアプリの前にラインを立ち上げて市さんへメッセージを送ってみた。
内容は最近見つけた美味しいスイーツの店舗情報だ。
久しぶりのメッセージなことを謝り、スイーツ情報に花を咲かせたら市さんから明日遊びに来ると言われて三度くらい見直してしまった。

「うっそ?! 掃除! 掃除しなきゃっ!」

慌てて風呂を上がると、寝なくちゃいけないギリギリの時間まで部屋の掃除に勤しんだ。
翌朝の今日は朝起きると早めに会社に出勤した。
予定では社長が直帰の予定で付いていくのは先輩だ。
私は定時上がりだから若干寝不足だけど上機嫌で自分の席に着いて早速パソコンを起動させる。
サクサクと仕事を片付けながら、昼休みに御夕飯をどうするか市さんに聞けば食べてから来るらしい。
途中でお昼を挟みつつ書類やスケジュール調整等の仕事を捌ききり、予定通り定時に荷物を纏めるとお疲れ様でしたと声を掛けて秘書室を出る。
帰り際、ロッカーで鉢合わせした別の課の同期に雹牙さんのことを突っつかれたけど、友人のお兄さんだと伝えたら紹介してと言われてしまった。
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