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甘い貴方を見つけるまで【佐藤流司】裏

第5章 Sugar5


ねぇ、心羽はいつまで、俺の隣にいてくれる?


そんなこと考えたくもないのに、考えてしまう。


片時も俺から離れて欲しくない。

他の男のこと考えて欲しくない。

2次元にすら、妬いてしまう。


この独占欲をどうしていいか、わからない。


でも、それを心羽にぶつけても、彼女は全部受け止めてくれる。


「だから、ずっと俺の隣にいて・・・。」


どんな俺も、受け止め続けて。


「え・・・?」


「え?」


え、なに。


みんながきょとんとした顔で俺を見る。

特に心羽。


「流司さん、今・・・。」


「え、声に出てた?」


「隣にって・・・あっ、ずっーと隣にいるよ!・・・あれ、私じゃない?」


意味がわかったのか、そう返してくる彼女。


ううん、お前だよ。


ずっと、お前に隣にいて欲しい。

心羽・・・。


「お前じゃねぇよ、バカ。四六時中、隣にいられたら飽きるわ、アホ。」


違う、そんなこと言いたいんじゃない。

そんなこと、思ってない。


「そっか、そうだよね・・・。私は・・・隣に、・・・てほ・・・・・・ど。」


笑顔で返す彼女。


笑えてねぇよ、バカ。

しかも、後半なんて言ったんだよ。


ちゃんと笑えてない彼女を、ちゃんと笑顔にさせるため、俺は素直になる。


「お前の作る料理、好き。」


短い言葉。


美味いとか、また作ってとか、具体的にこれ作ってとか、そんなことは言わない。


それだけで彼女は、口下手な俺の言いたいこと、わかってくれているから。

全部、受け止めてくれているから。


「頑張って、うなぎ作るからっ!」


「うなぎから作るの?」


「流司さんが望むなら!」


「いや、流石にムリでしょ。今度一緒に、食いに行こ。」


おかしくなった。


うなぎから作るとか、言い始めてる。


ほんと可愛い。


俺のあんな短い言葉で、そんなに喜んで。


「たまには、可愛いとか言ってあげるよ。」


「え、なにその言い方!ちゃんと言ってよ!」


「してる時なら、普通に言えるの知ってるでしょ?」


少し彼女をいじめてみる。


たぶん、その時のことを思い出して、顔を真っ赤にして、手で覆った。


だから、みんなの前で、そんな可愛いことしないで。








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