第5章 Sugar5
歯を磨いて、部屋に戻る。
小越さんとつばささんが起きてる。
「ねぇ流司くん、声、抑えて。」
「え、聞こえてた?」
「うん。」
「うっそ!忘れてっ!」
流司さんの声、小越さん達にばっちり聞こえてたらしい。
なんかやだな。
例え、男の人でも仲間でも・・・。
あんな流司さん、他の誰にも知られたくない。
「意外すぎて忘れらんない。あと、音もちょっと聞こえてた。」
「忘れて。誰にも言わないで。」
「誰にも言わないけど、これからはけっこう抑えた方がいいと思うよ?涼くんが可哀想。」
つばささんの言う通り、抑えた方が良さそう。
嫌なのは、私たちだけじゃなくて、涼さんとかお隣さんもだ。
「流司さん、少し減らそうか、ああいうことするの。」
「なんでよ。抑えればいいんでしょ?俺としたくないわけ?」
なんでそうなるの・・・。
声、抑えらんないから、言ってるのに。
わかってよ・・・。
「違うよ・・・。」
「お前が抑えらんないんなら、俺が抑えてやるから。」
あんな風に指を噛ませて?
いつ、思っきり噛んじゃうかわかんないのに・・・。
痛くしたくないのに・・・。
私の気持ち、わかってよ・・・バカ。
「猿轡してみる?」
冗談だよね、笑ってるし。
流石に、そのSMっぽいのは・・・。
いや、まぁ、目隠しならいいかなぁ・・・とは思うけど。
前にされたし。
でも、猿轡って、見た目がなんか・・・やだ。
「ねぇ、僕たちがいるところで、その相談しないで。」
「はい・・・。」
つばささんが、怖い・・・?
あの優しいつばささんが・・・。
「ん~、心羽ちゃん・・・おはよ。」
「あ、麻璃央さん、おはようございます。」
「流司、ずるい。これを毎日言ってもらってるなんて。」
「俺の時は、こんなんじゃないから。」
ずるいとか・・・。
確かに、彼の時は違うね。
起こすと、うっさいぶっ殺す、だからね・・・。
まぁ、そういうところも好きだけど。
「麻璃央さん、流司さん起こすと、言葉で殺されます。」
「は?」
「ぶっ殺すとは言うけど、殺せないから。」
起こした時の流司さん、ほんと怖い。
もっと寝起き良くなってよ・・・。