第5章 Sugar5
「流司って、寝起き悪かったっけ?」
「いつも俺、先に起きてるもんね。起こされた時は、まじ、イライラする。」
「ほんと、寝起きくらい、可愛いとこ見せてくれたらいいのに、怖いもん。」
「お前の寝起きの顔、ぶっさいくだけどな。」
わかってるからさ、そんなはっきり言わなくていいじゃん。
流司さんってほんと、酷いよね。
オブラートに包んでよ。
とか思うけど、そういうところも好きなわけで・・・。
とにかく、彼の全部が好き。
「流司さんは、顔見せないもんね。」
「だってお前、カーテン開けるじゃん。」
「朝だもん、開けるの普通でしょ?」
日光浴びなきゃ、目覚めないし。
寝起きこそ、光合成しなきゃ。
「よし、開けてみんな起こそっか!」
カーテン、遮光のやつだから、閉めてるとほんと暗い。
その分、開けた時の眩しさが半端ない。
「うわぁ、やめてぇ・・・。」
と言って、頭を腕で覆ってうずくまる、峻也さん。
可愛い・・・。
「開けんなやぁ、あほ・・・。」
なんでだろう、峻也さんは可愛いのに、鳥越さんはイラッとする。
てか、いい加減起きなよ、みんな。
お昼なるよ?
私が起きたのも、けっこう遅かったんだから。
仕事、大丈夫なの?
「これを俺は毎日、やられてるんだよ?耐えらんない。」
「じゃあ、ちゃんと起きてよ。」
「じゃあ、もっと可愛く起こしてよ。」
「流司さんの可愛いの定義がわかんない。」
貴方が思う、可愛い、を教えてよ。
ちゃんと可愛くするから・・・。
貴方に愛されるように。
「え、流司の可愛いって、心羽ちゃんでしょ?」
「麻璃央さん、意味がわからないです。もっと詳しく。」
「え、だから、流司は心羽ちゃんの全部可愛いって思ってるでしょ?ね、流司?」
私で言う、流司さんの全部好き、みたいな・・・?
「麻璃央くん、口、縫ってあげるよ。」
え、怖。
お口チャックとかだと可愛いんだけど。
「心羽、縫い針どこ?」
「怖いんだけど。麻璃央さんのキレイな顔に傷付けないでよ。」
「は?」
「あ、流司妬いたー!」
もう私の方は、見ようとしない。
可愛過ぎかよ。