第5章 Sugar5
「んっ・・・。」
そのまま麻璃央さんに注がれると思ってたお酒は、私の喉を潤す。
彼の顔が、目の前にある。
唇が少し離れて、私を見つめたまま彼は、
「麻璃央くん、離れて。」
と、麻璃央さんに言う。
私はびっくりして、手も足も力が抜けた。
麻璃央さんが離れて、彼が私の口内を犯す。
みんながいる前で、こんなキス・・・恥ずかしいよ・・・。
「ん、ふっ・・・んっ。」
声が漏れる。
やだ、聞かれたくない。
流司さんだけに聞いて欲しい。
ちゅっ、とリップ音をたてて離れる唇。
「麻璃央くん、わかってるよね?」
また同じ質問をした彼。
「わ、わかってる・・・。」
「じゃあ、誰の?」
流司さん、笑顔が怖い・・・。
「流司の・・・。」
その言葉に、満面の笑みで答える流司さん。
「はぁあ?!お前らいつの間に戻ってたんや!!」
うん。
やっぱ、鳥越さんって、ちょっとうるさいよね。
「二人とも、水臭いなぁ。僕らの仲なのにっ!」
ぷんぷんする峻也さん、可愛い・・・。
「そんな感じはしてたけどね。流司の部屋から、心羽ちゃんの声してたし。」
流石、お隣さん。
バレてましたか。
てか、そんなうるさかった?
誰の声か、わかる程・・・。
まさか、してる時の・・・?
「流司さん、これから声、抑えるね・・・。」
「涼くん、声ってどんな声?」
「どんな声・・・って言われてもなぁ。なんか心羽ちゃんが叫んでるっぽい?流司さんのバカー!とか?だいたい何言ってるかまでは、聞き取れないけど・・・。」
「だってさ。だから、抑えんなよ。」
「うぅ・・・。」
絶対、涼さん遠慮してるよね・・・。
聞こえてるけど、言わないってだけで・・・ほんとは聞こえてるはず・・・。
私、めっちゃ声出しちゃうもん。
「うあー心羽ちゃんが・・・なにも知らない、ウブな心羽ちゃんがぁ・・・。やめてぇ、それ以上なにも言わないで・・・。」
「小越さん、貴方の中の私は、小学生ですか?」
「はい、妄想はやめようね、おご。心羽って、めっちゃエロいから。」
「やめてー!!」
流司さんやめてー!
変なこと言わないで!
小越さんが、耳を塞いだ。