第1章 Sugar1
帰って来てしまった・・・。
出る時は、すごい機嫌良かったんだけど、流司さんに帰って来たら、覚えとけよって言われたの思い出したら・・・。
あーどうしよう・・・!
流司さんもそろそろ帰って来ちゃうよ・・・。
心の準備なんて、なんにも出来ていない。
考えただけで、恐ろしい。
「ただいま」
っ!?
思わず身体をビクッとさせてしまった。
「なに、お前、そんな俺にお仕置きされたかったの?こんなところで待ってて。」
「ちがっ・・・」
玄関で靴も脱がず、突っ立ている私に彼は、不敵に笑う。
「私も今、帰って来たとこなの。」
「あっそ。邪魔。」
そう言って流司さんは、私を退けて、中に入った。
お仕置きって、やっぱり・・・。
流司さんって怒ると相当怖いから、今更になって朝のことを後悔した。
彼のあとについて、中に入っていく。
「ご、ご飯作るね・・・」
「・・・」
そんな怒らないで、流司さん・・・。
わざと時間をかけて、グラタンを作った。
「遅過ぎ。腹減って死にそう。」
「ごめんね。はい。」
テーブルにグラタンを置いて、座った。
「いただきます。」
「いただきます。」
2人とも無言で食べ進める。
わざと食べるのも遅くする。
「早く。」
もうすでに食べ終わった流司さんは、そう言って私を急かす。
遅くし過ぎて、余計怒らせてしまったようだ。
私のバカ。
恐怖を増やしてどうするんだ。
やっと食べ終わり、食器を片付けて、2人ともソファーに座る。
っ!?
睨まれた。
そんな怒らないでよ・・・。
私は貴方の気持ちを知りたいだけなの。
「心羽は、強引に身体を求められたら、どうする?怖い?」
「え?なに、急に・・・」
「いいから。」
どうして急にそんなことを聞かれたのか、よくわからない。
「そりゃあ、怖いし、やだよ・・・。私はお互い幸せな気持ちで、流司さんとしたい・・・。」
流司さんだったら、強引でも構わないけど・・・。
でも、流司さんはそんなことしないって、ちゃんとわかってる。
貴方は、優しいから・・・。