第4章 Sugar4
「どう?恋してる?」
「麻璃央さんのバーカ。」
「酷いなー。あ、いや、聞き方が悪かったね!俺に恋してる?」
「黄瀬くんにならしてますよ。」
麻璃央さんって吹っ切れたよね。
らぶフェス千秋楽の打ち上げから。
今は麻璃央さんと一緒にお仕事してる。
麻璃央さんを黄瀬くんにするお勉強中。
黒ステですよ。2作目の。
今回から、携わせて頂いてる。
「心羽ちゃんってさ、意外とオタクだよね。」
「偏見ですか。2次元に恋しちゃダメですか?そうですか。3次元で恋出来ないんですよ、バーカ。」
「バカバカ、言い過ぎ。」
「まだ2回目です。」
恋、出来ないってゆうか、出来なくなった。してるけど・・・。
まだ、流司さんが好き。
だけど、もう終わったんだ。
次、行かなきゃ!そう思うと、2次元にいってしまう。
「そういえば麻璃央さん、今日流司さんに会いました。全然変わってなくて、泣いちゃうかと思いました。」
「なんの報告だよ。・・・てか、泣いちゃえばよかったじゃん。やっぱり、別れるなんてやだぁって。」
「出来るもんなら、もうとっくにそうしてます。だけど、好きだから、困らせたくないんです。」
泣きたいよ。
別れたくなんてなかったよ。
でも、流司さんが望んでるんだもん。
そうするしか、ないでしょ。
私一人の気持ちで、どうにかなるもんじゃない。
「ねぇ、ほんとに今幸せ?楽になれた?心羽ちゃんも流司も。」
「流司さんはどうかわかりませんけど、私は元々、別れても幸せになるなんて思ってませんでしたよ。どうせ、余計辛くなるのはわかってましたし。」
わかってた、わかってたけど・・・流司さんがそれを選んだんだもん。
私には、どうすることも出来なかった。
彼の意志は固かった。
もう一度、愛されたい。
私の初めて、貴方に奪われたかった。
でも、もう・・・違う誰かなんだ。
流司さんじゃないんだ・・・。
甘くなくていいから、もう一度あの日々に戻りたい。
一緒に寝たいって言うと、ソファーで寝ろ、とか、起きてって言うと、ぶっ殺す、とか、言われたい。
当たり前だと思ってた日々は、全然、当たり前なんかじゃなかった。
奇跡、だった。
もう一度起きないかな、奇跡。