第3章 Sugar3
だから、なんで、流司さんはあんなに飲んでるの?
前も飲み過ぎて、ベロンベロンなったくせに。
「流司ーヤケ酒はよくないぞー。」
涼さんが、からかうように言うと、
「うっせー、ちげーし。」
って、ぷんっとする流司さん。
可愛過ぎかよ・・・。
「で、結局どうなった?」
私の隣にいる麻璃央さんが小声で聞いてくる。
「私は流司さんを連れてきただけです。・・・流司さんが辛くても、私はどうすればいいのか、わかりません。これからのことは流司さんに任せます。このまま別れたままなのか、ヨリを戻すのか・・・。」
「・・・。」
え、なんか答えて下さいよ。
これでも、めちゃくちゃ傷付いてるんですから。
優しい言葉の一言くらい、麻璃央さんにとって朝飯前でしょ。
「流司ー!よく見ときやがれっ!」
急に麻璃央さんが、流司さんに向かって叫んだと思ったら、麻璃央さんの顔が目の前にあった。
「麻璃央っ?!」
「え、ちょ・・・」
みんな驚いてる。
まあ、みんなから見たら、キスしてるように見えるだろうから。
麻璃央さんは、私の目の前で、いたずらっ子のように笑っている。
ガンッ!!
っ?!え、なに?
麻璃央さんの頭でなにも見えないので、顔を傾けて音のした方を見てみると、流司さんがグラスを握ったまま震えていた。
みんな流司さんの方を見ているので、たぶん彼がグラスをテーブルに勢いよく置いたんだろう。
あ、あれ、怒ってる流司さんだ。
なんて、呑気に考えていたら、彼がいきなり立ち上がって、トイレと呟いていなくなった。
「っ、待って!」
私は、なにも考えずに、勢いで追いかけてしまった。
今、彼の近くにいたって、辛いだけなのに・・・。