第3章 Sugar3
らぶフェス、千秋楽。来ました、ついに来ちゃいました!
「「いえーい!」」
いまつるちゃんこと、峻也さんと満面の笑みでハイタッチをした。
「心羽ちゃん、今までホントありがと!また、次もあること期待するっ!」
いまつるちゃん可愛い。天使。まじ天使。
峻也さんに続いて、次々とキャスト陣からの「ありがとう」の嵐。
目に涙を溜めて、泣くのを我慢しながら、
「私の方こそ、ほんと、ありがと、ございますっ!キャストでもないのに、たくさん、仲良くしてくれてっ・・・!」
そう言うと、
「泣くなー。」
って、みんなが笑ってくれる。
みんなの目にも、涙が溜まってることくらいわかってるからね。
「泣くの、はえーよ。まだ終わってねぇだろ。」
なんて言う流司さんの目にも涙は溜まっていて・・・。
「あ、流司さん泣いてる。」
「うっせ、泣いてねーわ。」
ツンツンしやがって。
そんなとこも好きだわ、このやろー。
キャストもスタッフもみんなで一つの円陣を作った。
このまったく同じメンバーで、またこの真剣乱舞祭は出来ない。
だから、今日は今までで一番、最高の日にする。
みんながみんな、そう強く思っていただろう。
舞台に向かう、キャストの背中を見つめた。
みんな、全力で楽しんできて。
顔を隠して泣く人。
声を上げて泣く人。
顰めっ面をして、泣くのを我慢する人。
笑顔の人。
泣きながら笑う人。
そんな人達が集まったこのカンパニーの舞台は、大成功の元、幕を下ろした。
もちろん私は、声を上げて泣く人。
「りゅうじさぁぁぁん!!うわぁーん!」
「まじでうっさいんだけど。」
彼に抱きつき、耳元で叫んだ。
もちろん彼は、顰めっ面をして、泣くのを我慢する人。
流司さんの肩越しにみんなを見た。
セットした髪はぐちゃぐちゃで、メイクは汗で落ちていた。
それでもみんなは、刀剣男士だった。
かっこいい、その一言しか出て来なかった。
「心羽。」
彼に呼ばれて、腕を回したまま、おでこをくっ付けて見つめ合った。
みんなが見ているにも関わらず、引かれ合うように、唇を重ねた。