第16章 Sugar16
マンションの下で部屋を見上げると、明かりが点いていて、嬉しくなる。
やっと流司さんに会える!
玄関の鍵を開けて、ただいまと言って中に入っていく。
上着を脱いでハンガーに掛け、鞄をソファーに置くと、後ろからふわっと抱き締められた。
「びっくりした、流司さんからくっついて来るなんて・・・。」
「いろんな奴の匂いがする。」
出来てるから、早くと言われたので、手を洗いに行く。
部屋に戻って来て椅子に座ると、美味しそうなパスタがあった。
まぁ、手の込んだものは期待してなかったから・・・。
「美味しい、ありがとう!」
「ふっ、付いてんだけど。」
口の端を指差してそう言われたので、その部分をぺろっと舐めた。
なんかレトルトのとは違う気がして訊ねると、作ったとのことで・・・なんか、期待してないとか言って、ごめん・・・。
食べ終わってシャワーが終わると、ゆっくりして過ごした。
私の隣で携帯を弄って過ごす彼。
背もたれに仰け反って携帯を見てたので、膝を枕にして横になる。
「なに?」
「駄目?」
携帯を弄りながら聞かれ答えると、それから答えなくなったので、そのまま膝に頭を乗っけたまま動かないことにした。
お腹に顔をすりすりしたら、邪魔って言われたけど、退けようとしないので、そのまま腰に腕を回してぎゅっとする。
文句言う癖に、許してくれるんだね。
「したいの?」
「えーっと・・・したいっていうか・・・いちゃいちゃしたい・・・。」
彼は鼻で笑って、携帯を置く。
どうしたんだろうと思って、腕を離して、ちょっと起き上がると、ちゅっと軽くキスをされる。
顔を赤くすると、たこじゃんとからかわれた。
むっとすると、可愛くねぇと言われる。
「もっかいして!」
「したいなら、すれば?」
もう彼からはする気はないようで、携帯を弄り出す。
「もっとちゃんと、構って・・・。」
彼の足を挟んで膝立ちになり、携帯を持っている腕を退かして、触れるだけのキスをした。
「それだけでいいの?」
恥ずかしくて出来ずに、至近距離で彼の顔を見つめる。
「しないなら、退け。」
悲しくなって眉尻を下げると、ばーかと言って、後頭部を押さえられて、唇がくっ付いた。