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甘い貴方を見つけるまで【佐藤流司】裏

第16章 Sugar16


麻璃央さんにウィッグを被せて、セットする。


「心羽ちゃんも慣れたよねぇ、三日月のセット。」


「当たり前ですよ、もう何回もやってるんですから。」


つわものどもがゆめのあとの初日が開けた。


青いウィッグの髪を一束持ち、固めていく。

そんな私を麻璃央さんは、鏡越しに見つめてくるが、無視した。


携帯でも見ててよ・・・やりにくい。


俊也さんに、次僕ねー!と言われて、そちらを見ずに返事だけする。


まりちかは終わったから、次俊也さんか。

その後は、あの兄弟をやらなきゃ。


「俊也さーん!いいですよー!」


少し大きな声で、離れたところにいた、俊也さんを呼ぶ。


いまつるちゃんのメイクをして、ウィッグを被せる。

くるっとして、下に垂らした髪を櫛で梳いでいく。

前髪をセットして、終わらせた。


弟丸を呼んで、メイクを始める。


「洸くんって、キリッとしててイケメンだよね。」


「流司くんから、乗り換えちゃう?」


「ばか。」


冗談だよと言って、盛大に笑われた。

まぁ、洸くんはそんなこと、本気で言う訳ないよね。


ウィッグを被せて、セットして終わらせた。


よし、後は兄者で終わりだ。


「兄者はいつも可愛いねぇ。」


「宏規ですよー。」


「ごめんごめん!宏規くん!」


可愛いなぁ、ほんと。

肌ももちもちだし・・・本当にベビたんだよ。


ウィッグを被せてふわっとさせると、兄者に変わる。


開演直前まで暇になったので、携帯を確認すると、流司さんから連絡が着ていた。

俺の方が早いから、飯作っとくとのことだった。


久しぶりに、流司さんのご飯だ!


まだお昼なのに、もう夜ご飯が楽しみだ。


それからお昼ご飯も食べて、少しすると、開演時間が迫る。


「よしっ!みんな行ってらっしゃい!!」


皆、行ってきますと言って、舞台袖から出て行く。


ここから聞く、皆の声が好きだ。


きっと今回も、初日、大成功だ。


カーテンコールになり、皆がまたステージに出て行く。


お客さんたちの鼻水を啜る音が、まだ聞こえていた。


盛大な拍手の中、皆は戻って来た。


やっぱり、刀ミュが好きだと認識する。


主さんたちが、すごく温かい・・・。






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