第15章 Sugar15
17時半か・・・まだ間に合うかな。
夜、1人分多く作って。
そうメッセージを送って、撮影を再開した。
会わせたくないって言ったばっかなのに、家来るとか・・・結局、良いって言っちゃったから、連れてかないと。
19時になり、撮影が終わってスマホを見ると、つばささん?、ってメッセージが来てた。
文字を打つのが面倒臭くなり、電話をする。
「つばさくんじゃないよ?」
「あ、そうなの?もう帰って来る?」
「うん。今終わったから、これから帰るよ。」
やっと会える。
半日も離れてないけど。
宏文くんを連れて、帰路に着いた。
心羽、びっくりするかな?
まさか、宏文くんを連れてくるとは思ってないでしょ。
「ほんとに行って良いんでしょ?」
「うん、心羽も待ってるから。」
「あれ?会わせたくないんじゃなかったっけ?」
自分で言ったんでしょ。
今日行くって。
彼女は、俺以外好きにならないって。
「もう慣れた。あいつ面食いだし、2次元にも浮気するし。いちいち嫉妬してたら、疲れる。」
とか言いながら、いっつも嫉妬してる。
昨日行った居酒屋を通り過ぎて、マンションが見えてくる。
あとちょっと、あそこに彼女がいる。
俺だけ好きが増えていってるんじゃないかって、たまに不安になるけど、彼女もちゃんと言葉で伝えてくれるから、すぐにその不安はなくなる。
「ただいま。」
「お邪魔しまーす。」
部屋に着き玄関のドアを開けると、彼女が、おかえり、と言いながら、出迎えてくれた。
「どうぞ・・・荒木宏文さん?!」
「はじめまして、にっかり青江です。らぶフェス、よろしくね。」
「理央様ー!!」
そっちかい。
にっかりじゃないんかい。
「おっと、失礼しました・・・荒木宏文さん、はじめまして、よろしくお願い致します。」
ぺこりと可愛い音が鳴りそうな感じで、お辞儀をする。
「理央様の時から知っててくれたの?」
「はい!めっちゃかっこよかったです!」
あぁやっぱ、連れて来なきゃ良かった。
玄関で目がハートになってるよ。
俺もいるのに・・・全然俺の方、見ない。
そんな彼女を無視して、中に入った。