第15章 Sugar15
「ここで皆さんにお知らせがあります。流司さんが脱落しました。」
「してない。まだ全然だし。」
頭を撫でていた彼女の手を取り、包み込むように握った。
少し彼女の手がびくっと震えたけど、振り解くことなんてしない。
そういうところ、好き。
いつでも、俺と同じ気持ちでいてくれる。
俺が手を握りたければ、彼女も握りたい。
俺がセックスをしたければ、彼女もしたい。
気が合う相手。
だから、一緒にいたいって思うんだろうなぁ。
「そういえばさ、お前らもう声抑えるつもりないだろ。」
「なんのこと?」
やっぱこの前の、完全に聞こえてたか。
こいつ、めちゃくちゃ声出してたし。
てか、いたの?
わざと知らないふりをした。
「涼さん、ごめんなさい・・・もうその、そういうこと考えられなくなっちゃって・・・ごめんなさい・・・。」
「ごめんね、俺が上手過ぎるみたい。・・・いて。」
彼女とは反対の隣にいる峻也に軽くこつかれた。
なんで叩かれなきゃいけないんだよ。
「酔っ払いは黙ってて。」
「ほんとのこと言っただけだろ。」
本当のこと言ってなにが悪い。
実際こいつは、俺とするのが良過ぎて、何回もイくんだから。
「そういえば、小さい頃の洸くん可愛かったなぁ。」
話逸らしやがった。
「急になんで、俺の話?」
「いやぁ、私ね、ちょうどあの時期、天てれにはまってたんだ。崚行くんとか好きだったなぁ。」
初耳なんだけど。
こいつ、絶対戦士目当てで見てたな。
その頃だと、同じくらいの歳の奴が出てたはず。
「今も好きなの?崚行くん。」
「崚行くんよりも好きな人いたから。・・・でも今はこの業界にいないんだ。」
「俺、戦士じゃなかったからなぁ。あまり一緒にいる時間なかったし。」
誰だよ、好きな奴って。
それって、俺よりも好きだったの?
「ねぇ、好きだった男の話しないで。すげぇやだ。」
「拗ねないの。これがあるでしょ?」
左薬指で光るピンクオパールを見せてくる彼女。
それがあっても別れない保証はない。
離してやるつもりもないけど。
帰ったら、こいつのこと抱こう。
可愛過ぎて、もう耐えらんない。