第14章 Sugar14
「母さん、言ったよね?籍入れるの来年だって。」
「式は?」
「決めてない。」
どんなとこでしたいかっていう話は、なんとなくしたけど、いつ、とかは全然だし。
てか、籍入れるのも、半年以上先だし。
「でも式は・・・加州清光に関係するとことか、厳島神社がいいなっていう話はしてる。」
「おっ!日本人らしく、和装の結婚式か?」
「日本人とか、そういうんじゃなくて、ただ単に俺たちは加州清光のおかげでこうなれたわけだし・・・。厳島神社は刀ミュでやったとこだし。」
私たち加州清光大好きだもんね!
「流司さんが、籍は6月5日、清光の命日にしよって・・・清光はその日で終わっちゃったけど、俺たちはその日から始めようって・・・。」
別にその日が清光の終わりの日なんかじゃないっていうのは、わかってる。
その後も加州清光は、沖田総司を始め、たくさんの人の心の中で生きてる。
私たちだって、例外じゃない。
「命日に?なんかちょっと縁起とか・・・それに加州清光ってことは、池田屋事件でしょ?いいの?生まれた日とかじゃダメだったの?」
「でもほら・・・こうして清光はここにいるんだよ?」
縁起とか言うお母さんに、スマホでとうらぶのアプリを開き、本丸にいる清光を見せる。
「それにここにもいるでしょ?・・・終わりの日を始まりの日にしたいの。ね?」
隣に座っている彼の肩を抱いて、同意を求める。
「うん。」
お母さんは私たち2人に目を合わせて、
「まぁ、2人が決めたことだしね。反対してるわけでもないから、これ以上はなにも言わないわ。」
そう言ってくれた。
「ありがとう。・・・私たちを出会わせてくれたのは、ミュージカル刀剣乱舞、そしていつも救ってくれたのは、加州清光だった。だから私たちは刀ミュにも清光にも感謝してもしきれないの。」
「だから、それと関係したとこで式したいってことか。」
「心羽ちゃんの花嫁姿、可愛いだろうなぁ。」
流司さん、パパに向かって、誰が見せるかよ、とか言ってるけど、呼ばない気?
ママには、可愛いじゃなくてキレイでしょ、って言われてる。
結論、私はどちらも兼ね備えておりません。