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甘い貴方を見つけるまで【佐藤流司】裏

第14章 Sugar14


家に着いて、私はお昼ご飯の準備を始めた。

お母さん2人に、手伝うよ、って言われたけど、今日は私1人でやらないと意味ないから。

次は遠慮なく手伝って貰うけど。

てか、ほんとは手伝って貰いたいんだけど。

絶対流司さんになんか言われるから、手伝って貰えない。


私抜きで、なに5人で楽しくやってんのよ。

流司さんのバーカ。


彼を睨むと、視線に気付いたのか、彼がこっちを向いて目が合った。


「なに?てか、お前のせいで走ったから、腹減ったんだけど。まだ?」


「むぅ、流司さんがもっと早く起きてくれれば、間に合ったんですぅ。」


口を尖らせて、彼に抗議する。


「なにそれ、キモい。全然可愛くない。」


いや、だからなんで流司さんは、そんな平然と酷いことを言えるんですか。

私のこの顔が出来たのは、そこにいる2人のおかげなんだけど。


でも・・・。


「流司さんの可愛くないは、可愛いって意味だもんね?」


本人が前に言ってたからね。


「早く、腹減った。」


もう目を合わせようとはしない。

照れてるんだ。


それから私は楽しそうにしてる皆を羨ましく思いながらも、急いでご飯を作った。


「よし。出来たよー!流司さん、手伝って。」


「え、やだ。」


「ここは誰ん家だよ。」


「お前と俺の。」


なぁーー!!

そんな風に言ったって、喜んでやんないから。


「ほら、流司さん家なら、ちゃんと手伝って。」


顔がニヤけるのを必死に隠して、平然を装う。


「私が手伝うから、流司くんは座ってて?」


お母さん、流司さんを甘やかしちゃダメ。


「お母さん、いいよ。1人でやるから。お母さんはお客さんだし。」


手伝ってくれようとするお母さんを断って、盛り付けを始めた。


「あぁもう、やるから、怒んなよ。」


「別に、怒ってない。」


彼がキッチンまで来て、盛り付けしたお皿たちをテーブルに運ぼうとしてる。


「怒ってる。」


「怒ってないって。ありがと。」


ぼそっと感謝を告げる。


「え、なに?聞こえない。」


「ありがと!」


「え?ほんとにそう言った?俺には愛してるって聞こえたんだけど。」


いや、顔、完全に笑ってるじゃん。






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