第14章 Sugar14
遅いと言われ、腕を引っ張られてる。
何気に痛い。
強く掴み過ぎ。
鞄の中で、スマホが着信を知らせる。
「待って、電話、来た・・・っ!」
「ムリ。」
私が流司さんのペースについていけるわけないでしょ。
彼が止まろうとしないから、そのまま電話に出た。
「も、しもしっ!」
「心羽?着いたんだけど・・・どこ?」
「あ、お母さん、待って・・・私、まだ・・・。」
やばい、ムリ、話せない。
「も、ちょっとで、着くから、待ってて・・・。」
もう喋れないから、電話を切った。
「わっ!いたっ・・・。」
彼が急に止まったから、背中にぶつかってしまった。
「ちょ、痛いんだけど。てか、着いたよ。」
早、もう着いたんだ。
死にそう・・・苦しっ・・・。
「あ、母さん?どこ?・・・自販機の前?・・・あぁ、わかった。そこで待ってて。」
彼はお母さんと連絡を取ってるみたい。
てか、こっちの親は?
お母さん、お父さん、どこ?
とりあえず先に、彼のご両親のとこに行こう。
「いた。」
確かに自販機の前に男女2人がいるけど、若いカップルにしか見えないんですが。
「え、どこ?」
彼のあとについていくと、そのカップルのとこに着いた。
「流司!久しぶり!」
「久しぶりだな、流司!」
「久しぶり。」
お兄さんとお兄さんの彼女かな?
え、でも・・・ご両親が来るって言ってたし・・・。
「父さん、母さん、こいつが心羽だよ。」
待って、ほんとにお父さんとお母さんなの?
若過ぎでしょ。
「はじめまして、鈴木心羽と申します。お兄さんとその彼女さんかと思いました。」
「ふふっ。」
「ははっ、まぁ、あまり、流司とは親子に見られないな。」
美男美女からはあたりまえに、整った顔しか産まれないよな。
それよりも、私の親も探さなきゃ。
「心羽ー!!・・・やっと見つけた!」
探す必要なかった。
「お母さん!お父さんも!」
佐藤親子を見て、2人とも固まってる。
顔面偏差値、高過ぎだもんね。
「はじめまして。佐藤流司っていいます。これからよろしくお願いします。」
流司さん、声が・・・緊張してる?