第14章 Sugar14
昨日あの後良い雰囲気になったはずなのに、結局なにもなかった。
いや、あって欲しいとか、そういうんじゃなくて・・・ウソ、ちょっとは気持ち良いことしたかったな・・・。
あ、朝ご飯作んなきゃ。
玉子に漬けてる食パンを取り出して、ハムとチーズを挟む。
塩っぱいフレンチトーストを作る。
甘いの、私、苦手・・・。
あとは焼くだけだ。
流司さん、いつまで寝てるのかな・・・。
もう9時過ぎてるんだけど。
ご両親、何時に来るのよ。
私の方は、11時までに来るって言ってた。
10時半になったら、駅に迎えに行かなきゃいけないけど。
迎えに行かなきゃいけないって・・・流司さんは?
「流司さん!ちょっと!起きてっ!!」
彼の肩を掴んで、思いっきり揺すった。
「なんだよ・・・まじでうるさい。」
「9時過ぎてるけど、迎えに行かなくていいの?!」
てかもう、やばいでしょ。
いや、二度寝しようとしてるし。
「何回か来てるから、迎え、最寄りの駅でいいって。10時半くらい。」
そうだったんだ。
「じゃあ、一緒に行こ。うちも同じ時間に最寄りの駅。」
いや、だから寝んな。
「いっ!!・・・わかった、起きるから、やめて・・・。」
脇腹を抓ると観念したのか、起き上がった。
「ご飯、もうすぐ出来るから、食べて。」
「うん。」
とりあえず出るまでに、出汁摂って、具材切ったり、下準備は終わらせておこう。
先に流司さんの朝ご飯、終わらせなきゃ。
ご飯も食べ終わって、10時半になった。
お昼食べられなくなるとダメだから、朝ご飯はいつもの半分くらい。
「心羽、早く。」
「わかってるよ!待って!」
着替えてメイクをしてると、そう急かされる。
「メイクさんでしょ?もっと早く出来ないの?」
その言い方は酷いなぁ。
元はと言えば、流司さんが起きるの遅いんだし。
それに私は流司さんのブローまでしてあげたんだから。
そう思いながらも、手だけは必死に動かして、メイクを終わらせた。
「お前が遅いから、走んないと間に合わないんだけど。」
流司さんが早く起きれば良かったじゃん。
と心の中で悪態を吐きながら、駅に向かった。