第14章 Sugar14
こんなに麻璃央さんが大切なのに、麻璃央さんの気持ちに応えられない。
どうしてこの世には、男と女しかいないの?
どうして好きの意味はたくさんあるの?
誰かを犠牲にしなきゃ、幸せになれないの?
麻璃央さんのことは好き。
でも、流司さんへの好きとは全然違う。
「流司もごめん。」
「てか麻璃央くん、俺がわかるようにしたでしょ。あんなメール送ってきて。」
「なんのことかな?」
とぼけても意味ないよ。
きっと麻璃央さんのことだから、後悔したんだろう。
麻璃央さんだって、流司さんをすごく大切に思ってるはずだから。
「そういうことで、全部俺が悪いから、心羽ちゃんのことは許してあげて?」
「どういうことだよ。その場で断らなかったこいつだって悪いから。」
多分もう彼は麻璃央さんのことは怒ってない。
矛先は全部、私の方に向かってきてる。
「ごめんなさい・・・。」
「だから・・・はぁ。なに?ほんとに別れたいの?」
だって謝ることしか出来ないじゃんか。
「もういいよ、お前のことはわかってるから。どうせ前みたいに、麻璃央くんのこと傷付けたくなかったんでしょ。」
その言葉にこくんと頷いた。
「それじゃ前と同じだよ。そのせいで俺も傷付くし、今回は、まじで別れることになるようなことだったんだからな。優しい俺に感謝しろよ。」
「はい、ありがとうございます。大好きです。愛してます。」
本当に彼はどこまでも優しい。
振られても文句すら言えないことだったのに。
「大丈夫?話は終わった?俺、いなくなった方がいいよね?」
「元凶はお前のくせに・・・まぁ、いない方がいいかもね?心羽が好きな麻璃央くんには、この先のこと辛くて見られないと思うから。見せ付けたいけど、俺もそこまで鬼じゃねぇし。」
それって・・・?
いや、待って、麻璃央さんそそくさと帰ろうとしないで?
怖いんだけど。
絶対、手加減なしじゃん。
「し、シャワーを浴びさせてください・・・。」
「やだ。」
笑顔が黒いよ・・・?
待って、麻璃央さん帰っちゃダメ!
私だけお仕置き?
したいけど、怖いよ!
「心羽、こっちおいで?」
その甘い声に逆らえない。