第14章 Sugar14
「心羽さん、なんで俺だけ名前で呼んでくれんの?」
「兄者だからだ、兄者。」
そうだよ、弟丸の言う通りだよ。
なんかもう、可愛いな!この兄弟。
年下だった私にも、年下が出来たよ。
宏規くんは、私よりも2歳も年下だ。
なんかもう、可愛過ぎだよね。
洸くんは、私と同い年だし。
兄者は私の本丸にいないから、頑張ってドロップしなきゃな。
まずは、本家から学ばないと。
「で、なんで呼んだの?」
「2人の顔を近くで見たかったから。」
「あっ、主っ!なにをっ・・・!」
洸くん、可愛い。
「メイクするにも、する人がどんな顔なのか知っておかないと、ね?」
どんなに研究しても、実際に本人にメイクするのは、まだまだ先だけど。
撮影の時に出来るけど、公演の時とはちょっと違うくなるから・・・。
宏規くんと洸くんの顔を見ていると、突然ポケットの中の携帯が震えた。
稽古中なので後で確認しようと、無視してたら、ずっと震えてる。
長いからきっと、着信だ。
皆に申し訳ないと思いつつ、ポケットから携帯を取り出す。
「ちょっとごめんね・・・。」
「電話?俺たちのことは気にしなくていいですよ。」
ベビーフェイスで微笑んでくれる宏規くん、まじ天使。
洸くんも、どうぞって微笑んでくれる。
源氏兄弟、優しいな。
2人にありがとうと言って、画面を確認する。
その名前を見て、慌てて電話に出た。
「もしもしっ?どうしたの?」
「いや、そっちこそどしたん?なんでそんな慌ててんの?」
笑いを堪えながらそう聞いてくる、愛しい彼。
こっちからかけ直しても出ないのわかってるから、切れる前に出なきゃいけないでしょ。
「心羽、仕事中にごめん。ちょっと聞きたいことあって。」
さっそく本題に入る彼。
「ううん、大丈夫だよ。兄者と弟丸の顔、ガン見してただけだから。」
「うん、なら、今かけて正解だったね。」
なんか含みのある言い方だなぁ。
まるで、見るなって言われてるみたい・・・。
「いや、そんなことより、心羽。この前、NARUTOで特典撮ってたじゃん?あれ、DVDに入れてもいいかって、聞かれたんだけど・・・お前はどうしたい?」
広大くんに撮られてたやつか。