第2章 Sugar2
あーもう、あいつらほんと世話焼ける。
俺の身にもなれっつうんだよ。
心羽ちゃんが俺のこと選ぶわけないのわかってて、ああしたけど・・・否定されるのわかってたけど・・・迷うことなく流司のとこに飛んでいったのが、ムカつくし、すげー辛い。
「麻璃央、あんま落ち込むな?俺らがいるだろ?」
「大地さん・・・そっすね・・・」
俺の頭にぽんと手を置いて、慰めてくれる。
「麻璃央はほんと優しいね。」
「つばささんほどじゃないっすよ。」
つばささんが優しく微笑んでくれる。
「流司にあんなこと言った時はほんとびっくりしたけど、麻璃央は仲間思いだね。」
「好きな子に幸せになって欲しかっただけだよ。そのまま俺を選んで欲しいなんて思ったんだよ?仲間思いなはずない・・・」
峻也が優しいこと言ってくれるけど、決して俺はそんないい奴じゃない。
ただ、彼女に幸せになって欲しかった。
流司を素直にさせようとしたわけじゃない。
俺が彼女を幸せにしたかった。
俺じゃ無理なのは、わかってた。
でも、本気で好きなんだ、心羽ちゃんが・・・。
「麻璃央、今日飲みに行くか?」
「ぞのさん、ありがとう。でも、とてもそんな気分にはなれないや・・・」
「そっか。」
みんな、ほんと優しいなぁ。
俺、流司の彼女、盗ろうとしたのに・・・。
お腹に抱きつく流司の頭を優しく包み込んで、幸せそうな顔をする彼女を見て、胸が締め付けられた。
俺は彼女に、あんな顔をさせられない。
全部が流司に負けていた。
彼女は、これからも変わらずに俺に接してくれるかな・・・?
さっき、流司に強がってあんなこと言ったけど、後でちゃんと謝らなきゃ。
俺は流司の大切なものを盗ろうとしたんだから・・・。
心羽ちゃん、本気で好きだったよ。
流司、ごめんね。
心羽ちゃんのこと、絶対幸せにしてよ?
俺はこれからも、いい仲間でいるから。