第13章 Sugar13
結局、あれからなにもなくて・・・たったさっき、加州清光単騎出陣2017の全日程が終了した。
なんかもう、忙しくて、疲れてて・・・えっち、全然出来なかった。
何日か前に、生理終わったんだけど。
今日もムリかな・・・?
流司さん、きっとすっごく疲れてる。
初日以来彼は一切、佐藤流司を出さず、加州清光であり続けた。
流石流司さん。
流司さんが好かれるとこって、そういうとこもあると思う。
個性を出したい欲を殺し、役に・・・そのキャラクターに成りきる。
「あーもうムリ、寝るわ。」
シャワー浴びたからいいけど、もう寝ちゃうんだね。
うん、ちゃんと寝かせるよ。
疲れてるの知ってるから。
ベッドに倒れ込み、うつ伏せのまま動かない彼。
せめて、髪乾かしなよ。
「心羽、したい?」
「え?・・・あぁ、ううん。私も疲れた。」
ほんとはしたいよ。
でも、したいって言ったら、流司さん困っちゃうでしょ?
私が我慢すれば、それでいいんだ。
「心羽、こっちおいで?」
そう言って、手を差し出してくる。
そんな甘いところ、見せないで・・・。
抑えきれなくなっちゃう。
それでも否定することは出来なくて、容易くその手を取ってしまう。
「ぅわっ!!」
手が触れた瞬間ぎゅっと握られて、引っ張られた。
彼の上に、思いっ切り乗っかっちゃってる。
「ちょ、重いでしょ・・・離して・・・?」
「心羽、ほんとはしたいんでしょ?」
今日、すっごく名前呼んでくれるね?
流司さんのその、名前を呼ぶ時の響き、大好き。
「だって流司さん、疲れてるでしょ?」
「まぁ疲れてるけどさ・・・俺だってしたいんだよ。」
もどかしく背中を撫でられ、身体が反応してぴくぴくと動き、声が僅かに漏れる。
「ん、ふっ・・・あ・・・ダメ、流司さん・・・。」
「ダメじゃないでしょ?したいんでしょ?そんなエロい反応してさ。」
いつものように意地悪を言う彼が、欲しくて堪らない。
もう、ダメ・・・。
「したい・・・。」
思いとは裏腹に唇が勝手に、言葉を紡ぐ。
「ん、俺もしたい。」
お腹の下で、固く、熱くなるものがあった。