第13章 Sugar13
お願いだから、機嫌直して・・・流司さん。
今日の公演が終わり、帰ってきた。
あれから一切、口聞いてくんない。
シカトばっかしてさ。
謝ってるのに・・・流司さんのバカ。
「ねぇ流司さん・・・私、清光より流司さんとキスしたいよ・・・。」
なんの反応もありません。
ずっとこの調子で・・・もうどうしたらいいかわかんない。
なんでそんな機嫌悪くなってんの?
今回は理由だってわかるし、そもそもそんな怒ることじゃない気がするんだけど・・・。
「携帯ばっか弄ってないで、私にも構ってよ・・・。」
全然反応してくんないなら、好きにするから。
キスをすると、邪魔とでも言うように退けられる。
めげずに彼にくっ付いて、今度は股間に手を伸ばした。
触れた瞬間手首を掴まれて、身体の横に固定される。
「最近出来てないんじゃないの?したげるよ・・・。」
なにも答えずに私の手首を掴んだまま、携帯を弄り続ける。
流司さん、手はね、2つあるんだよ?
掴まれてない、もう片方の手を伸ばしてまた彼に触れる。
すると、携帯を置きその手を掴んでくる。
やっとこっち、見てくれたね。
「なんなの?うざいんだけど。」
「私にも構って・・・。」
両手首を掴まれたまま彼を見つめて、お願いする。
「俺より清光がいいんじゃなかったっけ?」
「流司さんがいい・・・。」
清光は流司さんとは違う。
そもそも、人じゃない。
刀剣男士で、ゲームの中のキャラだ。
触れることが出来ないキャラクターより、流司さんの方がいいに決まってる。
「もし、清光をやってるのが流司さんじゃなかったら、キスなんてしたいとも思わないから。」
押し倒されて、手首を顔の横で固定される。
「でも、清光としたいんじゃないの?」
「2次元キャラにそんな嫉妬しないでよ。そもそも清光だって、流司さんがやってなかったら、こんなにはまってないから。」
まだ3次元ならわかるよ?
でも2次元なんだからさ、そんな本気で嫉妬しないで。
嬉しいけど・・・。
「俺だけ愛してって言ったじゃん。俺以外好きにならないでよ。」
だからもう、そんなこと言われたら・・・死んじゃう。
こんな至近距離でちょっと顔が赤い彼を見ると、私まで顔が熱くなる。