第13章 Sugar13
シャワーから戻ると、彼が紙とペンを持ってなにかしている。
「なにしてるの?」
「んー、自分の字で書こうと思ってさ。報告のコメント。」
「真っ白じゃん。」
それはいいと思うけど、全然進んでないよ?
「この紙のやつでツイートして、俺とお前ふたりで動画撮って、あとで載っける。」
ん?ふたり?
私もなの?
「んで、ブログでいろいろ書く。」
両方でやるんだね。
いいと思うよ。
たくさんの人に知って欲しいし、認めてもらいたいから。
「よし!出来た!」
書き終わったらしく、満足気に紙を掲げる。
結構短いね。
ブログとかにも書くし、動画でも喋るからかな?
写真を撮って、ツイートする。
「動画撮るぞ。」
どうやって動画撮るの?
ふたりで映るんでしょ?
「ふたりで映ったら撮れないよ?それに、いいの?部屋思いっ切り映るよ?」
「あ・・・動画は明日撮ってもらうか・・・。」
ブログは今日中に更新したいらしく、一生懸命スマホと睨めっこしてる。
睨めっこだけじゃダメだよ?
そんな彼が可愛過ぎて、写真を撮ってしまった。
しかも気付いてないんだけど。
麻璃央さんに、一生懸命ブログ書いてる流司さん、って送ったら、ツイートされた。
流司さんの許可、取ってないんですけど。
完全にプライベートなんだけどなぁ。
まぁたぶん、これくらいなら流司さん、気にしないと思うけど。
麻璃央さん、ちゃんと加工してくれてるし。
「ねぇ流司さん、これ見て。」
「なに、今忙し・・・は?これお前撮ったの?全然気付かなかったんだけど。」
麻璃央さんがツイートしてることを教えると、やっぱり全然怒ってない。
てゆか、ブログ書くのに夢中。
「あ、心羽こっちおいで。指輪見せるようにして。」
え、なに写真撮るの?
指輪を見せるようにしろと言われたので、鼻から下を左手で覆った。
「なんで顔隠すの?ま、いいけど。」
いいんなら、言わないでよ。
てか流司さんだって、横向いて目瞑ってるじゃん。
「ね、それどうするの?」
「ブログに載せる。」
「は?ちょっと待って、なんで?私、いらないじゃん。」
あまり流司さんと一緒に写ってるの、載せたくない。