第13章 Sugar13
「ねぇ心羽、ちょっと先のことになるんだけどさ・・・籍入れない?」
「え?結婚するってことは、そういうことじゃないの?」
籍はそのうち入れようって、話してたじゃん。
「あ、いや・・・そうだけど・・・婚姻届出す日のことだよ。もう決めてあるんだけど・・・6月5日。嫌?」
「え、それって・・・。」
清光の・・・。
「命日でなんかあれだけどさ、いいでしょ?清光はその日で終わっちゃったけど、俺たちはその日から始めよ?」
その日を終わりの日なんかにしたくないもんね。
だって清光は、私たちの中で生きてるもん。
「うん、そうしよ?まだまだ先だね。」
「その間は、恋人を楽しもうよ。」
恋人って、どうやって楽しむの?
恋人同士の期間を楽しもうってことかな?
結局、流司さんと一緒だったら、どんなでも楽しいけど。
「んでさ、お前いつシャワー浴びんの?」
「あ・・・って、流司さんが襲ってくるからっ!」
「まだ襲ってない。」
まだって・・・襲うの?
生理だからムリだけど。
「あ、ねぇ流司さん。」
「なに?」
「好きだよ。」
にこっと微笑んで、着替えの準備をする。
「なに急に。意味わかんね。」
って言いながら、顔にやけてるよ。
ちょっと赤いし。
タオルや着替えを持ってお風呂場に行こうとすると、突然後ろから抱き着かれて引き寄せられる。
耳に彼の吐息がかかる。
「あんま可愛いことしないで・・・俺も好き。」
流司さん、デレッデレだー!
そう言う流司さんの方が可愛いんだよ、もう!
軽く私の耳を噛むと、いってらっしゃい、と耳元で囁く。
それにうん、と返してお風呂場に向かった。
なにあれ、可愛過ぎだから。
心臓持たない・・・。
早く、身体の奥まで愛されたいよ・・・。
皆普通は、籍入れてから報告するよね。
でも彼は、皆に認めてもらってから結婚することを決めたから。
だから私は、彼に従う。
私も、彼を愛してるたくさんの人に認められたいから・・・私が彼の奥さんになることを。
ブログなどでも報告するはずだから・・・きっとそっちの方がたくさんの人が見てるから、たくさんの心無い言葉が来るかもしれない。
それでも、皆に認めてもらうために、頑張んなきゃ。