第13章 Sugar13
沈黙が流れる。
流司さんは、皆の反応を待ってる。
この時間がすごく怖い。
いつも清光は、髪を整えたりするのに、ただじっと待ってる。
まだ皆の反応がないので、私も少し話す。
「私たちは、ミュージカル刀剣乱舞トライアル公演で出会いました。刀剣乱舞・・・そして加州清光には何度も救われました。いつもは素っ気ない彼ですが、報告の場にSNSなどではなく、ここを選んだのは、ミュージカル刀剣乱舞は私たちにとって、とっても大切な作品で・・・そして直接皆さんに伝えたいという、彼の意思です。」
少しは皆、飲み込めてきたかな?
「認めてくれるっていう主は、赤く光る棒をつけてね?」
客席が真っ暗になり、ちらほらとペンライトがつき始める。
しばらくすると、開場中が真っ赤に染まった。
堪え切れず、涙が溢れる。
「心羽、泣かないで・・・俺まで泣いちゃうから・・・。」
ここにいる皆が認めてくれてる。
たぶん、全員ではないけど・・・たくさんの人が私たちの結婚を認めてくれた。
清光、泣かないでー!って主たちが言ってるけど、それって余計彼を追い詰めるだけだから。
いきなり彼が後ろを向き、ちょっとの間頼んだ、って言われた。
いや、頼まれても、困るんだけど・・・。
私はなにをすればいいの?
「清光がちょっとあれなんで・・・主さんたち、ちょっとの間、私とお話してくれますか?」
いいよー!と返してくれる。
ただのメイクさんなのに、皆優し過ぎるよ・・・。
なに話さそうかなぁ。
こんな展開、想定してなかったよ・・・。
「って言っても、こんな展開なると思ってなかったので、なにを話せばいいかわかりません。なので・・・泣いちゃった清光をいじろうと思います!」
いぇーい!って主さんたちも、ノリノリだ。
「ちょ、心羽、なに言ってんの?主たちも!」
いつまでも主さんたちに背中向けちゃダメでしょ。
「ほら、主さんたちに顔見せて!」
くるっと反転させると、また回って結局、背中を向ける。
めっちゃ早かった・・・。
そんなに泣き顔見られたくないのか。
もう一度挑戦するが、また背中を向ける。
それを見た主さんたちは、爆笑。