第12章 Sugar12
目が覚めると、ベッドにいた。
横を向くと、気持ち良さそうに眠る彼の顔が目に入る。
なんでベッドにいるの?
ソファーに寝てたはずなんだけど・・・。
ベッドから降りようとすると、後ろからお腹に抱きつかれる。
「まだダメ。」
起きてたんだ。
すっごい声掠れてるんだけど、大丈夫?
お酒臭い・・・。
「目覚めちゃったから、寝るまでいて?」
そんな可愛いこと言われると、そうするしかないじゃん。
お腹から引き剥がして、ちゃんと横にならせる。
今日彼はお休みだから、ゆっくりさせてあげなきゃ。
私も単騎出陣までお仕事ないんだけど・・・。
でもそれまでに彼は、取材やら撮影やらいろいろある。
あと2ヶ月・・・。
優しく頭を撫でると、気持ち良さそうに擦り寄せてくる。
可愛い・・・思わずキスを落としてしまった。
「キスしちゃダメだ、ってば!」
「うわぁ!!」
首に腕を回し、ぎゅっと抱き締められる。
少しだけ早い、彼の心音。
「きゃ!とか言えないの?」
高い声を出したかったみたいだけど、全然出てなかった。
「咄嗟に出るんだから、仕様がないじゃん。」
苦しい・・・やっと喋ってる。
「てか、寝ないの?」
「寝るよ。」
腕の力を弱めて、いつでも私が離れられるようにしてくれる。
まだ、離れたくはない。
「心羽、好きだよ・・・お前は?」
「どうしたの?急に・・・。」
「いいから。」
「好きだよ・・・。」
彼の好きだよの言い方が好き。
リピート再生したいくらい。
今度、録音しよっかな?
怒られるだろうなぁ。
いつの間にか、彼の規則正しい寝息が聞こえてくる。
せっかくの休みなんだし、デートとかしてみたい。
絶対してくれないだろうけど・・・。
公表する前に、バレたくないもんね。
ゆっくりと彼から離れて、ソファーに座る。
ご飯を作り始めるには、まだ早い。
出来上がっても、彼が起きてなきゃ意味ないし。
彼が起きるまで、流司さんの財前でも堪能しよっかな。
大運動会のDVDをセットして、彼が起きないように、音量を下げて見始めた。