第12章 Sugar12
目が覚めると私は、彼の上で寝ていた。
しかもソファーじゃん。
彼の温もりと、彼が掛けてくれたであろう毛布が気持ちいい。
起きたいけど、起きれない。
今、何時なんだろう。
そう思い、時計を見た。
「流司さんっ!起きて!!」
やばい・・・流司さんが公演に遅れちゃう。
ご飯食べてる暇無さそう・・・。
「黙れや。死ね。」
今、それできゅんきゅんしてる暇ないの!
「やばいって・・・起きて!」
彼の上で暴れた。
「あぁもう、うっさいなぁ・・・え、まじ?」
時計を見て固まる彼。
今、固まってる暇なんてないよ。
「シャワー浴びてくるっ!」
「ご飯は?」
「いらない!」
今日だけ、カロリーメイト許してあげるよ。
なにも食べない方が、身体に悪いから。
急いでお風呂場に向かった彼のために、着替えを準備する。
いつも彼が持つ荷物も、まとめておこう。
しばらくすると、彼がシャワーから戻ってきた。
「やべ、髪乾かせない・・・。」
せっかくシャワー浴びたのに、もう汗びしょびしょじゃん。
髪は、夏だからきっとすぐ乾くよ。
「ほら、早く出ないと遅れちゃうよ!」
「わかってるよ!」
イライラしてるなぁ。
仕様がないか。
あっついし、急がなきゃだし。
「いってらしゃい!頑張ってね!」
「うん、頑張って間に合うようにする!」
そういう意味じゃないんだけどな・・・まぁいっか。
今日で帝一は終わりだ。
チケット当たったから、見に行く。
彼には内緒だけど。
慌てて出ていく彼を見送った。
さ、私も準備しなきゃ。
普段しないメイクも、しっかりする。
メイクさんなのに、自分のメイクは全然しないんだよなぁ。
した方がいいかな?
ご飯は、コンビニでなんか買おう。
いつにも増して、気合い入れちゃったかな。
普段しない、露出度が高いおしゃれな格好。
これ、流司さんに怒られるやつだ。
オフショルってやつだ。
下は、ダメージパンツ。
夏だからいいよね・・・?
ダメージ具合が際どいけど・・・。
私もそろそろ出なきゃ、開演間に合わなくなるかな?
久我信士グッズ買わなきゃだし。
また、お金が流司さんに落ちていく・・・。
慣れない格好で、家を出た。