第1章 Sugar1
流司さんよりも少し早く起きて、朝ご飯の準備をする。
朝食はいつも和食だ。
卵巻きに焼き魚、わかめと豆腐の味噌汁。それとヨーグルト。
ヨーグルトはお通じの為に・・・。
この時間だと、朝と昼一緒になっちゃうなぁ。
10時過ぎてる。
早く流司さん、起こさなきゃ。
一緒にいる時間減るし・・・。
本当はもっと寝かてあげたいけど、睡眠時間的にはちょうどいい時間だ。
「流司さん?流司さん、起きて」
軽く彼の身体を揺する。
「うっさい」
まあ、うん。
流司さんは朝、機嫌が悪い。
普段と変わらないと思うかもしれないけど、声なんて相当低いですから・・・。
ハスキーボイスどころかドス効いてます。
「ご飯、出来たよ」
「そんなんいらん、寝かせろ。バカ」
「わかった。じゃあ私、全部食べちゃう」
「太るぞ」
おっと、ついイラッとしてしまった。
起きないとちゅーしちゃうぞ♡とか言えば、気持ち悪ぃって飛び起きるのかな?
「お前さぁ、彼女なら彼女らしく彼氏、起こしなよ」
それって、起きないとちゅーしちゃうぞ♡でいいのかな?
「ぉ、起きないと、ち、ちゅーしちゃ、うぞ・・・」
「・・・」
なんか言ってよ。
「全然可愛くないんだけど」
酷い。
めちゃくちゃ勇気出して言ったのに・・・。
「で?」
「?」
「俺、起きてないよ」
?、?、?
流司さんの言いたいことがわからない。
「ちゅー、したいならすれば?」
「え?」
聞き間違いではないよね・・・?
「流司さん、起きて・・・」
「起きない」
もう知らない。
あとから、やっぱやだったとか言わせないから。
てゆか、初キス、雰囲気もくそもないじゃん。
ファーストキスがこんなんやだよ・・・。
1度、目を瞑ったままの流司さんの顔を見つめて、ゆっくりと自分の顔を近づけていった。
あと・・・もう少し・・・。
やっと、流司さんとキス出来る・・・。
大好き、流司さん。