第11章 Sugar11

｢ねぇほんとさ、丸聞こえなんだよね。家でやってよ。｣


｢優衣なら、聞かれてもいいわ、なんか･･･。｣


｢なんでよ。｣


恥ずかしい･･･隣に座ってる優衣さんの存在、完全に忘れてた。


なんで流司さん、そんな普通に出来るの･･･。


｢だって俺、お前の前でいろいろ、恥ずいこと言ってんじゃん？心羽が可愛過ぎてやばい･･･とか。｣


そんなこと言ってんの？

めちゃくちゃ嬉しいんだけど。


｢うん、惚気ありがと。あと、心羽ちゃんが可愛過ぎるのは、知ってる。｣


2人して、やめて･･･言葉も発せない。


｢心羽、早くメイクして。｣


｢え？あ、うん。｣


あれ、話してたんじゃないの？

急に名前を呼ばれたから、絶対変な顔してた。


｢なぁ心羽、俺さ、ちょっと控えようと思う。｣


｢ん？｣


彼のメイクをしてると、急にそんなことを言ってきたから、なんのことか全然わかんない。

主語は？


｢お前とするの。公表するまで、お前としない。それまで、仕事に専念しようと思う。｣


｢いいよ、わかった。私がしたくなったら、引き剥がしていいから。｣


どういう意図があって、急にそんなことを言ったのかわからないけど、彼の意見を尊重しようと思う。


｢またそういうこと言う。出来ないのわかってるくせに。｣


貴方は優しいから、きっと、私を許してくれる。

だから、私も抑えないといけない。


｢俺がしないからって、他の男のとこ行くなよ。｣


｢だったら、とっくの昔に行ってるよ。全然してくれなかったじゃん。でも、流司さんを選んだでしょ？｣


麻璃央くんのこと好きになれば？って、引き剥がされたけど、私は迷うことなく、流司さんを選んだ。

貴方じゃないと、ダメだから。

流司さんしか愛してないって、言ったでしょ。


｢周り、俺よりいい男ばっかだもん。怖いんだよ･･･前にも言っただろ？お前に嫌われること以上に怖いことはないって。｣


｢流司さんが1番だよ。NO.1じゃなくて、ONLY1だけどね。｣


私が愛してるのは、流司さん、たった一人なんだって。


｢ほら、またそうやって･･･。｣


｢ちょっと、メイク出来ない。｣


照れたように、俯いた。