第2章 Sugar2
あれから、1か月近く経った。
らぶフェスの稽古も終わりに近付き、公演を間近に控えている。
稽古で忙しかったのもあるのかわからないが、彼とは、あれから一切、ああいうことはしていない。
ぶっきらぼうで意地悪なままだ。
貴方のお砂糖をちょうだい・・・。
「流司さん、眠い。」
「・・・」
無視ですか。
今日の稽古は、早めに終わり、2人でソファーでまったりしていた。
でも、眠くなってしまい寝たいんだが、流司さんが退いてくれない。
「ベッドで寝ちゃうよ!いいのっ!?」
「・・・」
「返事しないなら、ほんとに寝るからね。」
そう言って、ベッドに向かった。
ベッドの中に入っても、なんの反応もない。
ほんとに、寝ていいのかな?
いままで一度も、寝させてくれたことないのに・・・。
あぁダメ、気持ちいい・・・流司さんの香りがする。
もう、瞼が上がらない。
彼の香りに安心して、私は寝てしまった。
朝起きると、彼はソファーに寝ていた。
結局、私のこと起こさないで、ソファーで寝てくれたんだ。
一緒には、寝てくれないんだね・・・。
わかってたけど・・・辛い。
起こさないように、彼の唇に、そっとキスを落とした。
これバレたら、相当怒られる・・・。
よし、ご飯作ろう。
今日のメニューは、だし巻き卵と鮭に、きのこの味噌汁。
だし巻き卵、相当練習しました。
最近、やっと出来るようになったの。
作り終わって、盛り付けをし、テーブルに運ぶ。
そして、悪魔を起こさなきゃ。
「起きて。起きて、流司さん。」
「ぶっ殺す。」
朝から、物騒なこと言わないでよ。
「にゃあ。」
「あ、ぷにお。流司さん、起こしてくれるの?」
突然、ぷにおが私の足元に来て、鳴いた。
そして、ソファーの上の流司さんの上に、ジャンプ。
「うっ!!・・・おい、ぷにお、俺を殺す気?」
ぷにおを両手で、自分の顔の上に持ち上げて、「あーもー!!可愛過ぎる、ぷにお!!どっかの誰かさんとは、大違いっ!」なんて言ってる、バカ飼い主。
「てかお前、キスしたでしょ?」
起きてたのっ?!
やばい、怒られる!!
「ごめんなさい、したかったの・・・」
彼は何も言わずに、ご飯を食べ始めた。