第11章 Sugar11
逃げる彼女を捕まえて、俺の方を向かせる。
それでも下を向いて俺を見ようとしないから、頬を掴んで上を向かせた。
「やっ・・・。」
「可愛い過ぎ。」
俺から逃れようと暴れる彼女のおでこに、キスをした。
大人しくなったんだけど。
ほんと、可愛過ぎだから。
そのまま手を下に滑らせて、彼女の手を握った。
「ねぇ心羽、ちゃんと言葉で言って?」
俺の胸におでこを付けて、顔を見せてくれない。
「流司さんは、私のなんだからっ・・・他の女の子と楽しそうに喋んないで・・・。」
今度はほっぺを擦り寄せてくる。
なにこれ、拷問?
今すぐ抱きたい。
「お前の話してたんだよ?お前と目合ったって喜んでたら、優衣に笑われた。」
彼女を抱き締めて、髪にキスをする。
そういえば、髪の毛へのキスって、どういう意味なんだろう。
最近、髪にキスすること増えたんだよなぁ。
「心羽ってさ、キスの意味わかるの?」
「全部は覚えてないけど、少しなら・・・。」
手首にしたのも、わかってたから?
「俺が髪にキスしたら、嬉しい?」
「そりゃあ・・・。」
髪の毛へのキスの意味わかるんだね。
しかも、いい意味そう。
ほっぺをピンクに染めて、嬉しそうに微笑んでる。
「どういう意味なの?」
「思慕・・・。」
へ?脂肪?
いや、違うよな。
完全に聞き間違えだろ。
「貴女を忘れられないほど、愛していますっていう・・・。」
「へぇ、忘れられないほどってなんか変な気するけど、俺、相当お前のこと、愛してるよ?」
目を大きく開いて、驚いた顔で俺を見てくる。
そっか、愛してるなんて言ったからか。
こんな簡単に俺、言わないもんね。
でもまあ、ここは言わなきゃいけないとこでしょ。
「俺、ちゃんとお前のこと愛してるから。お前しか見てないから。そんな不安ならなくていいよ。」
優しく包み込むように抱き締めて、耳元で囁いた。
「俺にとって、女はお前だけだよ。」
と。
だって俺、もう・・・お前だけにしか、反応しないんだよ?
心羽だけとしか、セックス出来ない身体になっちゃった。
だからお願い・・・他の男のとこなんか、絶対行かないで・・・。
お前も俺だけ見てろ。