第11章 Sugar11
もう寝たかな?
規則正しい寝息が聞こえる。
彼女に背中を向けていたけど、寝返りを打ち、彼女を見た。
なんでそんな怒んだよ。
別にあれくらい、いいじゃん。
頭の下に腕を入れ、腰に手をかけ、抱き竦めるように引き寄せた。
どんなお前だって俺は、
「好きだよ。」
髪にキスをして、大切な彼女を抱き締めて眠った。
次の日俺は、彼女よりも先に目が覚めた。
腕の中で眠る彼女を見て、安心する。
よかった、どこにも行ってなくて・・・。
離したくなくて、腕枕をしてる手を必死に伸ばして携帯を取った。
携帯の画面を見ると、8時を過ぎていた。
もう少しだけ、寝かせておこう。
携帯を持つ手を変えて、彼女の頭を抱え、おでこにキスしてる写真を撮った。
彼女の寝顔は写ってないから大丈夫。
その写真と一緒に、絶対にあげてなんかやんないと麻璃央くんに送った。
すぐに既読付いたんだけど。
ちょ、酷くない?なに、俺への当て付け?昨日、あんなこと言ったから。
って返ってきた。
違うよ、泣かせちゃったから。
それでも、麻璃央くんにはやんないよって意味。
そんなこと言うわけないけどね。
そう。
と送っておいた。
「ん・・・。」
あれ、起きた?
今、ばっちり目合ったんだけど。
携帯を置いて、彼女に向き直った。
「わぁ、流司さんだぁ・・・。」
ってすりすりしてきたんだけど。
寝ぼけてる?
ん?
動き止まったんだけど。
離れようとしてる。
離すわけないけど。
「おはよ、心羽。」
俺の言葉をシカトして、必死に俺から離れようとしてる。
ぎゅっと抱き締めて、離れないようにする。
まだ、怒ってんの?
俺、謝ったじゃん。
「やだ、離れないで。俺、泣かせたから、麻璃央くんのとこ行くの?行かせないよ。」
そう言うと大人しくなって、逆にくっ付いてきた。
なんだ、可愛い過ぎるんだけど。
「キスさせて?」
顔を上げて、目を瞑ってる。
軽くちゅっとして離れた。
「俺のこと、好き?」
「・・・。」
答えはしないけど、おでこを俺の胸にくっ付けてきた。
身体では言うこと聞くけど、全然口聞いてくんないんだけど。
結局、機嫌直ったの?直ってないの?