第11章 Sugar11

｢美男美女で･･･。｣


｢美女ではありませんよ。｣


｢ブス･･･。｣


美男を認めるけど、美女ではない。


彼の言葉に、なんかプチンと切れる音がした。


｢言っていいことと、悪いことあるの、知ってる？｣


｢はいはい、可愛い･･･かもね。｣


ムカつく。

一言多いんだよ。


｢流司さんはブスと結婚するんだね。いいの？ファンの子にブス専って思われるよ？私、顔出すんでしょ？｣


｢自分ではブスって思ってるくせに、なんで俺が言うと怒んの？｣


あたりまえじゃん、バカ。

可愛いって言って欲しいんだよ。

こんな頑張って、彼の為に可愛くいようとしてんのに、はっきり言わないでよ。

嘘でも、可愛いって言ってよ。

それでもまだ、可愛い彼女ではないと思うけど。


あんまり彼の前では、プンプンしたり、泣いたりしたくない。

そんなの、可愛くないから。

いつも、ニコニコしてたい。


｢別に怒ってないしー。｣


いーってしたあとに、ぷいっとそっぽを向く。


｢そういうとこ、可愛いよ･･･。｣


その言葉にハッとして彼の方を向くと、私とは反対側を向いてる。


｢どこ見てんの？こっち向いて。｣


｢やだ。｣


照れてるんだ、可愛い。


｢流司さんはかっこいいって言わせるのに、私が言わせようとすると、言わないよね。｣


｢好きとかは、言うだろ。｣


なんで好きのとこ、声ちっちゃいの。


｢なかなか言わないくせに。｣


｢あたりまえじゃん、俺の性格知ってるくせに、なに言ってんの？｣


そういうの言えないけど、意地悪な言葉はいっぱい言えるもんね。

酷いよね。


｢運転手さん、どう思いますか？好きとかは言わないくせに、意地悪ばっか言うんですよ、酷くないですか？｣


｢なんでそんなこと、運転手さんに聞くんだよ。｣


思いっ切り、運転手さんを巻き込んだ。


｢へ？あぁ･･･よく小学生とかにいるじゃないですか、好きな子ほどいじめたくなるって子。それと似たようなもんじゃないですか？｣


｢あ、そうですね！流司さん小学生だって！｣


｢そんなこと言ってないだろ！｣


でもね、虐められるの、嫌いじゃないよ。

なんか、流司さんだと、嬉しい･･･。


｢男はそんな生き物ですよ。｣


と、運転手さんが言った。