第11章 Sugar11
これ、どうしようか・・・。
私じゃ、支えきれないよ・・・。
見事に彼は酔い潰れた。
ほんと最近、飲むよね。
「心羽ちゃんどうする?俺、連れて行こうか?」
広大くんが、そんな彼の状態を見て、気にかけてくれた。
「大丈夫だよ、タクシー呼ぶから!」
「そう?あとでタクシー代、流司くんに請求しなよ。」
笑いながらそう言う彼に、もちろん!と笑顔で返した。
まぁ、請求しないけど。
家賃も光熱費も食費も全部、彼が出してくれてるから。
たまには私も、食費ぐらいは出してるけど・・・。
みんなと別れて、タクシーを呼んだ。
広大くんは残ってるけど。
彼を支えてくれてる。
タクシーが来るまで、いてくれるみたい。
そんなかからないで、タクシーは来た。
広大くんが彼をちゃんとタクシーに乗せてくれて・・・ほんと助かった。
私一人じゃ、ムリだった。
「広大くんありがと!気をつけてね!」
「うん、心羽ちゃんこそ。またね!」
運転手さんに行き先を告げて、ドアが閉められた。
広大くんに手を降ったら、振り返してくれた。
「うわっ!ちょ、重い・・・。」
彼が寄りかかって体重をかけてきたので、ぐーっと押したけど、全然戻ってくれない。
「気持ち悪い・・・。」
「飲み過ぎ。」
目、覚めてたんだ。
「だって、帰らせてくんないから。」
「だからって、そんな飲まなくてもよかったじゃん。」
なんであんな飲んだの?
明日だってあるんだよ?
「心羽、取られるし・・・。」
「あれは流司さんが悪いんでしょ。」
あんなことしなかったら、隣りにいれたのに・・・。
結局、彼を元に戻すのを諦めて、肩を貸す。
「ねぇ、なんで、いちゃいちゃしちゃダメなの?」
「それ、昔の流司さんに聞かせたいね。」
去年の彼は、いちゃいちゃとは無縁だったのに。
「うっせ。」
「バーカ。」
「アホ。」
「間抜け。」
「変態。」
「なっ・・・誰のせいでっ・・・。」
言い争ってたら、運転手さんに笑われた。
「仲良いですね。カップルさんですか?」
「はい。」
「婚約者です。」
カップルでいいじゃんか。
そう言ってくれるの、嬉しいけど。