第11章 Sugar11
「ま、確かに今は流司のでもさ、もしまた心羽ちゃんを泣かせることがあったら、そん時は遠慮なく奪うから。例え、結婚しててもね。」
「心羽が俺から離れると思ってんの?」
「人の気持ちは変わるものだよ。」
いやなんで、2人して本気なってんの?
なんでそんな、本気で私を取り合ってんだよ。
最高かよ。
「そこ、喜ばないで。」
「はい、ごめんなさい。」
喜んでるのがバレて、彼に睨まれた。
だって、仕様がなくない?
イケメン同士で私を取り合ってんだよ?
嬉しいに決まってんじゃん。
でもどうせ、私が選ぶのは流司さんだけど。
麻璃央さんごめんね。
「麻璃央さん、ごめんなさい。私、これから先、どれだけ流司さんに泣かされても、離れられないと思います。麻璃央さんと流司さんじゃ、大切の重さも意味も違うんです。」
「うん、わかってる。どんだけ俺が心羽ちゃんのこと好きでも、振り向いてもらえないことくらい・・・。言ったでしょ?流司には勝てないって。まだ好きだから、足掻いてたいだけ。」
苦しい。
もうこの話はしたくなかったのに・・・麻璃央さんのことを苦しめてしまうから・・・。
そのことに私が苦しむと、流司さんが傷付くから・・・。
どうして、誰かを犠牲にしないと幸せになれないんだろう。
「もうやめよ、この話。またみんな、傷付くことになるよ。」
「そうだよな、ごめん。」
「ごめんなさい、私のせいで・・・。」
彼は違うと言って、頭を撫でてくれた。
麻璃央さんも誰のせいでもないんだよって、優しく慰めてくれる。
「あ、麻璃央くん、麻璃央くんの告白さ、みんな聞いちゃったから。」
「へ?みんな?」
「今、NARUTOのみんなで飲んでる。」
麻璃央さん、驚き過ぎて声も出ないみたい。
てか、魂がどっかに行ってる。
「まじで?それ先に言ってよ!」
あ、魂戻った、
よかった、そのまま死ななくて。
「麻璃央くんが急に喋り出したんだじゃん。」
「あぁもう、最悪!またねっ!」
あ、切れた。
結局、なんだったの?
話したいことは、あれだけだったの?
てか、あれが話したかったの?
麻璃央さんが玉砕して、辛くなっただけじゃん。
どんだけ悲しい電話してくんのよ。