第11章 Sugar11

｢心羽ちゃん、急にどうしたの？｣


｢きたむーさん･･･なんでもないです･･･。｣


サイ役の北村諒さん。

ほんと、キレイ･･･。


｢たーいしょ、加州が嫌になったらいつでも俺っちのとこ、来てもいいんだぜ？｣


｢きゃー！！｣


｢主、酷い･･･俺より薬研がいいの？主のこれからの人生、全部俺にくれるって約束したのに･･･。｣


やめて･･･清光と薬研で私を取り合わないで･･･死んじゃうから。


｢わっ、私はみんなのものだからっ･･･！｣


｢はぁあ？俺だけのものでしょ？心羽は流司のだよ。｣


主と清光と薬研じゃないの？

そしたら、主はみんなのものじゃん。

なんで急に3次元に戻るの、酷い。


｢結局、流司くんと心羽ちゃんは、仲直り出来たの？｣


｢うん。じゃ、そういうことで、俺ら帰るわ。｣


私の手を引いて立とうとする彼。


｢いや、なんでだよ。｣


｢俺ら用事あるって言ったじゃないすか。｣


｢用事？｣


ほんと私には、その用事がさっぱりわからない。

なんか用事あったかな？


｢お前さ、なんなの？なんでわかんないの？溜まってる男が1回イったくらいで、満足出来ると思ってんの？お前だって、したくて堪らないくせに。｣


｢なっ･･･！｣


｢お前らなんなんだよ！なにが用事だよ！帰らせるはずねぇだろ！｣


ユウキさん、怖い･･･。


確かにしたいよ？

でもまだ、ここにいたい･･･。


その時、私の携帯からメッセージアプリの着信音がなった。


｢げっ･･･。｣


なんでこのタイミング･･･。

ほんと、なんで貴方はいつもタイミングが悪いの。


｢その反応･･･麻璃央くんでしょ？｣


こくんと頷いて返事をする。


｢貸して。｣


｢うん。｣


躊躇なく、彼に携帯を渡す。


｢あ、俺の心羽ちゃん、久し･･･げっ、流司･･･。｣


｢心羽が誰のだって？｣


｢いや･･･冗談だって、ジョーク！ジョークだよ？｣


麻璃央さん、明らかに声が震えてる。

不機嫌な流司さんで遊ぶくせに、私のことになると弱いよね。

流司さんに負い目を感じてるのかな。

でも、そんな2人を見るのが楽しい。