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甘い貴方を見つけるまで【佐藤流司】裏

第11章 Sugar11


居酒屋に来て、広大くんに仲直りしなよって、流司さんの隣りに座らせられた。


「そんな怒んなくていいじゃん・・・。」


彼の方は一切向かずに、彼とは反対側の隣りにいる優衣さんとずっと話してる。


なんか聞こえたけど、知らない。


あんなこと言った上に、あんなことしたんだよ?

怒るに決まってるじゃん。


「心羽・・・。」


さっきからずっと、私になにか言おうとしてるけど、無視してる。


反省はしてるみたいだね。

なにもしてこないから。


「心羽・・・?」


めっちゃ声が沈んでる。


そろそろ許してあげた方がいいかな。


「心羽ちゃん、ちょっと流司可哀想になってきた・・・。」


優衣さんもそんな風に言ってくる。


「確かに流司がしたことは、嫌かもしんないけど・・・反省してるみたいだし・・・。」


「そうですけど、引くに引けなくて・・・。」


彼に聞こえないように、めっちゃ小声で耳元で話す。


あんなこと言っちゃった手前、私からは言えなくて・・・。


「心羽、ごめん。許して・・・。」


縋るように肩におでこを乗せられて、身体がびくっと反応した。


「心羽ちゃん。」


「はい・・・。」


彼と話すよう目で合図されて、頷いた。


「流司さん。」


名前を呼ぶと顔を上げてこちらを見つめてくる。

私もちゃんと彼の方に向き直して、見つめた。


「もう怒ってないよ、ごめんね。」


彼の手を握った。


「バカ・・・心羽のバカ・・・嫌われたかと思った・・・。」


ちょっとだけ涙を溜めて、睨んでくる。


そうだ、前に言ってた。

嫌われる以上に怖いことはないって・・・。


「不安にさせて、ごめんなさい・・・。」


彼に身体を寄せて謝る。


「俺のこと、愛してるって大きい声で言ったら、許す。」


元はと言えば、流司さんが悪いくせに、なんで上から目線なの。


「流司さんのこと、誰よりも愛してるっ!」


「誰よりも?」


頑張って大きい声で言ったのに、ご不満な様子。


「私が愛してるのは、流司さんだけ!」


「うん、許してあげる。」


絶対流司さん、ヤンデレだよね?

そんな彼が大好きで堪らない私も、同類かな?








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