第11章 Sugar11
「あ、もう1つ大事なことあったね。」
「ん?」
耳元で返事をする流司さん。
ダメ、耳弱いから、もうちょっと離れて。
少し離れるように促し、肩を軽く押した。
「公表って・・・。」
「あぁ、これでもう公表すんの決まっちゃったね。結婚するの、完全に決まったからね。」
うん、いつするの?
いつするのか、知りたいの。
「俺が考えてるのは、単騎出陣の初日。」
「は?」
「なにその反応。」
私が単騎出陣のメイクするのは、もう決まってる。
てか、初日にして大丈夫なの?
千秋楽でいいんじゃないの?
そのあとの公演、お客さん減ったりしたらどうすんのよ。
「単騎出陣ってさ、ほとんど俺のファンしか来ないと思うんだ。だから初日に言って、婚約者がいる俺ごと愛して欲しい。」
「そっか。いいと思うよ。公表することに対しては、別に反対してないから。」
彼らしいよね、結婚するから公表するって。
結婚したって、公表してない人いるのに。
「それでさ、心羽、顔出す気ない?」
え、待って、なんで私が顔出すの?
流司ファンに殺される。
「公表する時に、お前にもステージに上がって貰おうと思ってて・・・。」
あまりにも驚き過ぎて、声も出せない。
顔出すなんて、考えたこともなかった。
「嫌・・・?」
「わかった、いいよ。」
「やった。なにするか、楽しみにしてて。」
え、なんかすんの?
ただ公表するだけでしょ?
婚約してます、結婚しますって。
「一つお願いがあるんだけど・・・結婚式は、刀ミュとか加州清光に関係あるとこでしよ?」
そうなると、ウエディングドレスじゃないね。
「うん!」
私たちが出会ったのは、刀ミュだ。
刀ミュが私たち2人を成長させてくれた。
何度、清光に助けられたかもわからない。
刀ミュがなければ、今こんな風に彼といなかった。
愛し合ってなかった。
「刀剣たちに誓お?」
「うん・・・。」
そっと唇を重ねた。
ほっぺに添えられてた手がそのまま、お腹へ滑り落ちた。
「てか、腹痛くないの?」
なんで、今聞く。
考えないようにしてたのに、痛くて仕様がなくなってきたじゃない、バカ。