第11章 Sugar11
どうしよう・・・ムリ、我慢なんて出来ない。
泣いちゃう・・・。
「泣いてないで、返事聞かせて。」
「よっ・・・喜んでっ・・・!これからの人生、全部、流司さんにあげますっ!」
ダメだ、涙止まんない。
「すげ、食い気味。」
「まだそんな勇気ないとか言ってたのに・・・ありがと。」
「籍入れるのはまだ決めなくていいでしょ?今んとこは、婚約ってことで。」
恋人から婚約者に進展しました。
「嬉しい・・・私たちは少しずつ、ゆっくりでいいんだよね。」
左手を上に伸ばして、薬指を眺めた。
キレイ・・・ピンクの宝石が輝いてる。
「うん、ゆっくり進んでこ。てか、ずっと見てるね。」
「だって、キレイなんだもん・・・。」
ほんとにキレイだし、可愛い。
なんていう石なんだろう。
「お前、誕生石オパールでしょ?それにピンクとか赤好きじゃん?だからピンクオパールにした。」
「ピンクオパール?」
自分の誕生石とか、ピンクオパールっていうのは聞いたことあるけど、石に全然詳しくないからよくわかんないや。
「そ。オパールは幸運を呼ぶ石って呼ばれてて、ピンクオパールにもその効果はあるし、なによりそれは、愛され力を高めるって言われてるから、俺にもっと愛されちゃうかもよ?」
なに、そんな最高な石、貰っちゃったの?
流司さん、大好き。
「あぁ、あとその裏、なんか彫ってあるかもよ?」
「え?」
流司さんがそのままはめてくれたから、裏なんて見れなかった。
急いで取って、裏側を見た。
"Love forever"と彫ってある。
「なんて書いてるの?」
そんなのわかってる。
「Love forever。」
「どういう意味?」
それもわかってる。
「・・・わかってるくせに。」
なんかぼそっと呟いたぞ。
「え、永遠に愛してる・・・。」
「ありがと、私も。」
頭を抱え、悶え始めた。
「うわぁ、もう、恥ずい・・・。」
彼の背中を撫でる。
「今度は2人の名前、彫ろ?」
エンゲージじゃなくて、マリッジの方に。
「ひゃっ!」
「それ、約束だから・・・。」
急にぎゅっと抱き締められたから、びっくりしちゃった。