第11章 Sugar11
「え、待って、広大それ・・・。」
「ん?」
私も彼も広大くんに全然集中してなかったから気づかなかった・・・カメラ持ってる・・・。
しかも、ちゃんと私たちの方向いてる。
「あぁ、一部始終、全部映ってまーす。」
「一部始終、全部って・・・なんか変・・・。」
「両方ほとんど同じ意味じゃないの?」
「細かいことは気にしなーい。」
まぁいっか、全部撮られてたってことでしょ。
いや、よくないよ!
使わないようにして貰わなきゃ。
「声も全部入ってたんでしょ?」
「うん、ばっちり。めっちゃ近くで撮ってたし。」
公表してないんだから、変なことしないでよ・・・。
「もし、それ出す頃に公表してたら使っていいよ。公表すんの今年の終わり頃なると思うから、使えないと思うけど。」
ん?流司さん今なんて言ったの?
帰ったら、事情聴取しなきゃ。
私、そんなの聞いてないんだから。
「え、公表すんの?」
「だって、俺ら結婚するし。」
「え、ちょっと待って・・・いつの間にそこまで、進んでたの?」
ちょっと、そういうことは私に先に言ってよ。
そんなはっきり聞いたことないよ。
え、待って、これがプロポーズではないよね・・・?
「私、ご飯食べてくる。」
「あ、俺も・・・え?」
来ないでと言うように睨み付けた。
私になにも話さないで、勝手に一人で決めちゃってさ。
別に公表するのも結婚するのも、嫌なわけじゃない。
むしろ、嬉しい。
でも、私に相談とか話し合いとか何もないのが、気に食わない。
それって、二人で決めることじゃないの?
1番最初に私に言うことじゃないの?
サプライズとかだったら、怒らないよ。
でもこれって、違うでしょ?
1人で黙々とご飯を食べていると、優衣さんが隣りに座った。
「どうした?流司がまたなんかした?」
そんな風に彼を呼ばないで・・・。
「私となにも話してないのに、公表するとか結婚するとか言ってるんです・・・。」
「嬉しいことのはずなのにね・・・まずは、彼女に言わなきゃいけないよね・・・。」
今日ちゃんと聞こう。
帰ったらすぐ。
先延ばしに出来ることじゃない。
結婚のことはなんとなく私も思ってたけど、いつ公表するかは聞かないと。