第10章 Sugar10
目が覚めると背中に温かい感触があって・・・お腹になんか乗っかってる。
頭がしっかり働くようになって、それが彼だって気付いた。
お腹に腕を乗っけて、私に抱きつくように寝てる。
寝顔が見たいけど、彼に背中を向けてる状態だから、全然見れない。
だんだんお腹が痛くなってきて、じっとしてられない。
流司さん、早く起きて・・・。
ご飯も作らなきゃ・・・。
腕は乗っかってるだけだから、寄せれるかな?
寄せても、起きないかな・・・?
そっと腕を持ち上げて、寄せようとした。
「ん・・・。」
「す、すいませんっ・・・!」
あ、起きてなかった。
寝返りをうって、また規則正しい寝息をたててる。
よかった・・・。
これで起きてたら、殺されてる・・・。
ほんと寝起き悪いの、どうにかして欲しい。
そういうとこも好きなのは、否定出来ないけど・・・。
彼が起きないようにベッドから降りて、ご飯の準備を始めた。
お腹痛いけど胃の中空っぽだから、薬飲めない・・・。
今飲んだら、胃が壊れる・・・我慢しよ・・・。
いつものように魚を焼いて、味噌汁作って、卵巻きを作った。
起こさなきゃな・・・。
いい匂いって、起きてきてくれないかな。
起こす人の特権、相手にバレずにちゅーが出来る。
この前バレたけど・・・。
大丈夫、今なら怒らないよね。
彼が起きてると、恥ずかし過ぎて自分からじゃ、出来ないもん。
「流司さん、起きないとちゅーしちゃうぞ。」
このくらいの声の大きさじゃ、彼は起きないはず・・・なんだけどなぁ・・・。
「朝から襲っちゃうよ?」
目擦りながら言わないでっ・・・可愛過ぎるから!
内容は可愛くないけど。
「襲っちゃダメだよ、今、出来ないから・・・。」
軽く彼のおでこにキスを落として、おはよと微笑んだ。
「おでこじゃ嫌・・・口にして・・・?」
可愛い・・・まだ寝ぼけてる。
目、開いてないし。
必死に開けようとは、してるけど。
「あとで怒っちゃ、やだよ・・・。」
「怒んないよ。」
口にキスをして離れようとしたら、後頭部を押さえられて、唇を舐められる。
これ、激しいやつの合図だ。
今はダメ。
彼の胸元をトントンしたら、離してくれた。