第10章 Sugar10
「それ飲んだら、寝ていいよ。」
「うん。」
野菜ジュース嫌いじゃないから別にいいけど、これが明日もだとダメだよね。
そんな彼に負担かけられない。
あんなきつい稽古したあとに、ご飯まで作らせるなんて・・・明日はちゃんと作って、ちゃんと食べなきゃ・・・。
流司さんの料理、もっと食べたかったな・・・もう入らないけど。
「でもさ、よくそんな不味いもん飲めるよね。」
「え、不味くないよ?美味しくもないけど・・・。」
でもほら、身体にいいものは美味しくないって、よく言わない?
飲み終わって、ベッドに移動した。
「え、お前、ベッドで寝るの?じゃあ俺、ソファーでいいや。」
「え?ダメだった?あ、シーツとかに付けられたらやだ?」
嫌なら、ソファーで寝かせるか・・・。
あ、出来ないからか。
もう仕様がないなぁ、ソファーで寝てあげるよ。
「いいよ、私がソファーで寝る。」
彼がソファーで寝たら、疲れ取れないでしょ。
「いいよ、ベッドで寝れば?俺まだ、食ってるし。」
「待ってるよ・・・うっ・・・。」
急に波がくるの、やめてくれないかな。
「あーもう、ほら、ベッドに寝ろよ。」
めんどくさいよね、ごめんね。
気にしなくていいんだよ。
別に優しくしなくていいから、普通にしてて。
ベッドに横にさせられて、おでこに彼の唇が触れた。
「おやすみの、ちゅー。」
悪戯に笑って、私の頭を撫でた。
なにそれ、急になにしてんの?
心臓、痛いんだけど。
目を泳がせて、おやすみと答えた。
「目、合わせろよ。」
そんな笑わなくてもいいじゃん。
笑いながら喋ってるから、声が震えてる。
「気が変わったら、一緒に寝てるかも。」
「・・・うん。」
いつでも、気変わってもいいからね。
すぐにでも・・・。
「大好き、流司さん。」
「うん。」
そこは、俺もだよとか言ってくれてもいいじゃん。
私から離れて、途中だったご飯をまた食べ始めた。
ほんとはまだ起きてたいんだけど、瞼上がんないし、意識も遠のいてきた。
夢の中でも、彼に会えるといいな。