第10章 Sugar10
「おはよ。いびきかいてたよ。」
「えっ!」
「ウソだっつの。なんか喘いで俺の名前呼んでたから、ちょっと悪戯した。」
夢見てた。
彼に抱かれてた。
昨日あんなにしたのに、欲求不満なんのかな。
いや、それはないか。
それより、悪戯ってなにしたの。
「寝込み襲おうとしたの?」
「胸触っただけだよ。」
全然わかんなかった。
流司さん、そんなことしてたの?
「いつも私が寝てる間になんかしてる?」
「キスとか・・・ぎゅってしたりとか・・・。」
目を合わせようとしないんだけど。
後ろめたいとかじゃなくて、ただ単に恥ずかしいんだろうね。
てゆか、そんなことしてるって知ったら、寝れなくなるんだけど。
起きてる時にも、普通にしてくれたらいいのに。
されたい・・・。
「大丈夫そう?」
お腹を撫でながら、そう聞かれる。
話逸らしやがった。
「薬効いてるみたい。」
どのくらいもつかな?
楽になったので起き上がって、彼に不意打ちでキスをした。
「ごめんね、疲れたよね?ありがと。」
おでこをくっけて、彼の足を撫でた。
長い間、膝枕してもらっちゃった。
「不意打ちとか、ずるい・・・。」
「んっ・・・。」
そう言って今度は、彼から唇を合わせてくる。
舌入れるなんて聞いてないんだけど。
私、入れてないよ。
「んんっ・・・。」
わざと音たてないでよ。
唾液が顎に垂れる頃、名残惜しそうに唇を離した。
「はぁ、はぁ・・・。」
彼の肩に頭を預けて、荒く呼吸をする。
「気持ち良かった?」
なんでこんな彼のキスは、気持ちいいの?
こくんと頷いて、彼の首筋に頭をすりすりした。
「かっわいい。」
「心の声漏れてるよ。」
「知ってる。・・・心羽が足りない。」
待って、なにそれ。
頭を撫でられながら、固まってしまった。
嬉し過ぎる。
昨日あんなに求め合ったのに、それでも私を求めてくれるの?
好きだよ・・・えっち、出来なくてごめんね。
「好き。大好き、流司さん。」
「急にどうした?」
溢れ出てくる想いが、言葉となって彼に届く。
「俺も好きだよ。」
もっと聞かせて・・・。
えっちしてない時でも、たくさん・・・。