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甘い貴方を見つけるまで【佐藤流司】裏

第10章 Sugar10


少し痛みが和らいで、彼にしがみついた手を離した。


「少し楽になった?」


「うん、ありがと。」


彼がお腹を擦ったり、頭を撫でてくれたりしてくれたから、楽になったのかな。


私に上から退けるように言うと、立ち上がって鞄を持ってきてくれた。


「自分で出せる?」


鞄から薬出すくらいなら、出来るよ。

そこまで心配しなくていいから。


「流石に鞄、漁られたくないでしょ?」


「ぐちゃぐちゃにしなければ、別に・・・。」


「やじゃないの?他の人に鞄の中身見られるの。」


「流司さんならいいよ。」


別に変なもの入ってるわけじゃないし。

鳥越さんとかは、絶対に嫌だけど。


私が薬を出してる間に、彼は水を持ってきてくれた。


「それってさ、市販で売ってるやつ?」


「ううん、婦人科で貰ったの。強いやつだから、胃薬も飲まなきゃダメなんだ。」


「病院から貰う程、やばいんだね。」


前にあまりにも痛過ぎて、婦人科行って貰ってきた。

仕事にも支障きたしちゃ、まずいからね。

でもさこれ、胃薬効かないんだよね・・・。

胃薬もさ、ちゃんと効くやつ出してくれればいいのに。

生理痛ほど、痛くないからいいんだけど。


「きつい時は、いつでも俺に甘えていいからね。俺に。」


他の人には、甘えるなってか。

どんだけ、俺にを強調してんのよ。


「いつも流司さんに甘えてるよ?」


「もっと甘えろよ。お前、あんま甘えてないじゃん。」


相当甘えてると思うんだけど。

それを言うんなら、流司さんじゃないの?

もっとこう、なんかさ・・・もっと・・・私、流司さんの彼女なんだから、甘えてよ!


「じゃあ、携帯取って。」


「すぐそこにあんじゃん。てゆか、そういうことじゃなくて・・・ぎゅってしてとかちゅーしてとかさ・・・。」


段々声ちっちゃくなっていってるよ。

言葉にすることすら、恥ずかしいんだ。

ちょっと耳赤くなってる、可愛い。


「てかなに、俺といるのに、携帯弄ろうとしてんの?させると思ってんの?」


甘えろって言ったから、咄嗟に思い付いたのがそれしかなかったんだよ。

ほんとに弄ろうとはしてないよ。

流司さんの顔、見てたいもん。


すると、私の携帯が鳴った。








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