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甘い貴方を見つけるまで【佐藤流司】裏

第10章 Sugar10


あまりにもお腹が痛すぎて、彼の服をぎゅっと握った。


「心羽、薬は?」


「鞄の中・・・。」


「見ていい?」


「ん・・・。」


彼が鞄を取るため、動きたそうにしている。

だけど私が彼をぎゅっと押さえてるから、動けないみたい。

振りほどいたっていいのに・・・。


私が離せばいいんだけど、とても離せそうにない。


「治まるまで待つよ。」


その優しい声に反応して、ほっぺを彼のお腹にすりすりした。

その頭を、彼は優しく撫でてくれる。


前までは、知らんぷりだったのに、今はこんなことしてくれるんだ。

まぁ私も、彼に見せないようにしてたから。

どんなに痛くても我慢してた・・・はずなのになんで、私が生理痛きつい方なんてわかるのよ・・・。


「ねぇ流司さん、なんで私が生理痛きついなんて、知ってるの?」


「お前いっつも、痛がってたじゃん。」


バレてた?あんなに我慢してたのに・・・。

いや、気付いてたくせに、なんにも労わってくれなかったの?


「流司さんのばぁか・・・。」


「なんだよ、急に。」


そんなに私に触れたくなかったのかな。


「あん時、もし少しでもお前に触れてたら、無理矢理抱いてたよ。」


貴方がすることはいつも、私のためだったね。


いつも私ばっかり、彼に甘えてる。

甘えて欲しいとか言っときながら、結局彼が甘える暇なんてないくらい、私が甘えてる。


「どのくらい痛いもんなの?うんことかの痛みとは違うんでしょ?」


「なんて言ったらいいかわかんない。うんちとかとは違うけど・・・すっごい痛い・・・。」


気持ち悪いし・・・。


私は、寝る前が一番きつい。

痛過ぎて暴れたり・・・それより痛いと、少しも動けなくなる。

薬なんて、30分とかそのくらいしか効かないし。

少し和らぐだけで、痛みがなくなったりなんてしない。


「普通は、2、3日目がきついんでしょ?量が多い時期。」


「うん。でも私、1日目から5日目がきつい・・・。」


「5日間ずっと?女って大変・・・。」


「うん・・・。」


生理痛軽い人って、まじで羨ましい。


でもこれからは、生理になる度に彼がこうしてくれるんなら、それほど嫌でもないかも・・・。








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