第1章 Sugar1
「その虫って、ツンデレで、独占欲強ない?」
「フェイントに見せかけて攻撃!とか言ってない?」
樟太郎さんと健介さんがその虫を、ぴったり当てる。
当たってますけど・・・。
ちらっと流司さんを見た。
「独占欲強くて、悪かったな。」
ふんってした!ふんってしたよ!
可愛い・・・。
みんなといると、いろんな流司さんを見れるから、楽しくてたまらない。
私と2人の時は、いっつもぶっきらぼうで意地悪だから・・・。
「てか、虫ってなんだよ。彼氏、虫扱いかよ。」
「え?違う違う。虫って言えば、誤魔化せると思ったの。」
うん。無理でしょ。
みんな、流司さんがつけたって、わかってるし。
「バカ。ほんとバカ。てか、見せつけろし。お前は俺のモンだし。」
「あ、はい。」
だから、もっと優しく言って。
私が貴方のモノだっていうのは、とっくの昔にわかってるから。
「心羽ちゃんも、もう、大人になったってことか・・・うん。」
大地さん、泣き真似はやめてください。
てか、私がしたことないって、なんで知ってるんですか。
「そうかぁ、流司も流石にもう手、出しちゃったかぁ。流司にしては、我慢したな。うん。」
涼さんが、流司さんの頭をポンポンする。
「やめろし。まだ出してねーし。俺にしてはってなんだよ。」
まだってことは、私とする気あるの?
期待しちゃうよ?
それとも、私が痛がってたから、我慢してる?させてたら、ごめんなさい。
「まぁ、あんまからかうと流司、泣いちゃうから、この辺にしとくか。心羽ちゃんもそろそろ、限界そうだしな。」
「泣かねーし。」
有さん、ありがとう。
流司さん、もう拗ねちゃってるし。
私も、もう恥ずかし過ぎて・・・。
あれから、キャスト達は台本読みを始めた。
私はまぁ、メイクするだけなので、なんとなく、流れを頭に入れとくだけ。
「よっしゃあ!終わったぁ!!なぁ、みんなでどっか行こうや!」
そう大声で言うのは、鳥越さん。
「ん〜」
さすが、ミスターマイペース。
みんな、ご飯行く雰囲気なのに、つばささんだけ、迷ってる感じ。
結局、久しぶりだからってつばささんもしつこく誘われて、行くことになった。
何故かスタッフ陣では、私だけ行く。