第1章 Sugar1
あーみんなと話したい。
あ、今、流司さんみんなの輪の中にいるから、私も入っても大丈夫かな?
「ちょんっ!」
流司さんの髪を2つたてて、猫耳みたくしてみた。
流司さんの近くにいれば、彼もそんな怒らないと思ったから。
いや、でも、これはやめたほうがよかったかな・・・?
「あはははっ!流司、似合ってるっ!」
峻也さんが、可愛くにこにこ笑う。
それにつられるように、みんなも笑う。
「にゃあ!」
萌え・・・。
じゃなくて、これはしゃあっ!って意味だな・・・。
「あーもー、お前なんなの?まじ、覚えてろ。」
「はーい。ごめんなさーい。」
「反省してねーな。」
私の腕を掴んで、顔だけを振り向かせたその表情は・・・。
まぁ、わかるよね・・・。
「・・・笑ってよ。」
機嫌悪いのは、わかってるけどさ・・・。
流司さんに触れたいの。
笑顔が見たいの。
「心羽ちゃん、久しぶりやな!」
不機嫌な彼の代わりに答えたのは、鳥越さんだった。
「お久しぶりです!鳥越さん!みなさんも!」
みんなが久しぶりって返してくれる。
「あー、ぴーちゃん近い。もっと離れて。」
即座に、彼が私から鳥越さんを遮る。
「ちょっとくらい、いいやんか!流司、そんな独占欲強いと嫌われるぞ!」
「そうなの?」
こちらを向いて、小首を傾げる彼。
いや、可愛過ぎるって。
やめて、萌え死ぬから。
「嫌いにはならないけど、もうちょっとみんなと話したいかな・・・?」
嫌いになるなんて、ありえない。
どんな貴方も大好きだから。
「あれ?心羽ちゃん、その首元のやつ・・・」
「え?」
お母さん・・・じゃなくて、つばささんが私の首元に指を指して言った。
「あー、それ、俺も気になってた。」
麻璃央さんに続き、みんなもうんうんと答える。
そして、同時にみんなが流司さんを見て、ニヤニヤする。
きっ、キスマークのことかっ・・・!
隠すの忘れてた!
絆創膏でも貼っとけばよかった。
服ではさすがに隠せない位置にある。
「む、虫に刺されました・・・」
悲しすぎる言い訳。